内容説明
線形代数学は、線形性をもった写像を調べることが中心的課題であるが、有限次元の場合、線形写像は行列で表されるので、線形代数は行列論でもあるとの考えにより、行列を中心にn次元の場合について解説する。すなわち線形空間、線形写像を公理的に導入し、そのあと解析学などへの応用を視野に入れ、行列式、内積空間、行列の対角化、2次形式へと進めていく。応用数学から具体的な例をとりあげ、道具としての有用さを示しながら、それぞれの事象や現象をどのように定式化するかを説明する。
目次
1 ベクトルと行列
2 掃き出し法
3 線形空間
4 線形写像
5 行列式
6 内積空間
7 行列の対角化
8 2次形式