出版社内容情報
発展と荒廃を飲み込んだ世界都市ロンドンで、今日からあなたが生きていくためのノウハウを専門家が案内。何を食べてどう稼いでいたのか、どんな事件があったのか、一般市民の目線でたどったユニークな一冊。
内容説明
近代化の最先端と貧困が同居していた時代。どんな制度の中でどんな暮らしをしていたのか。金銭事情から買い物に料理、娯楽や道徳そしてさまざまな「偏見」も…。当時の資料から掘り起こした「実像」をわかりやすく案内します。
目次
世界一大きく、豊かで、人口が多く、洗練された都市
女性の居場所?
彼らは何を食べ、どこで買い物をし、何を着ていたのか
病めるときも健やかなるときも
お金、住宅、階級
学問、文学、典礼
アウトサイダー
コミュニケーション
「建物を揺るがすほどの大喝采」ロンドンの娯楽
犯罪、警察、刑事、そしてマニング殺人事件
裁判と処刑
高揚と悲しみ
著者等紹介
アルパート,マイケル[アルパート,マイケル] [Alpert,Michael]
ウェストミンスター大学名誉教授(歴史)。ケンブリッジ大学を卒業後、銀行員、教員を経た後、ウェストミンスター大学で研究を続けた。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、キングス・カレッジ・ロンドン、ロイヤル・ホロウェイ・カレッジ、バークベック・カレッジでも教壇に立った
白須清美[シラスキヨミ]
英米翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
93
1837年ヴィクトリア女王が即位し、1950年代にかけての世界最大級の都市であったロンドンの暮らしについて記した本。チャールズ・ディケンズの小説「デイヴィッド・コパフィールド」が刊行された頃で、200万人の市民の多くは貧しく、開通したばかりの鉄道で大量の食べ物が運ばれて、冷却技術も発明される以前で、街は想像も絶する程汚く、平均余命は37歳であった。本書はその時期の生活の様子だけでなく、1849年に起きたマニング夫妻のオコナー殺人事件の結末を絡めて最後に1951年の万国博覧会を紹介して終える構成も良かった。2024/02/04
timeturner
5
下位中産階級にスポットを当てたのが売りだが、元になる資料は同じだからこれまで読んできた本とそれほど変わらない。下位中産階級の代表として参照される殺人者マニング夫妻に魅力が感じられないのがなあ。項目別に章立てされているので調べ物のときには便利かもしれない。2024/02/11
M A
1
19世紀、産業革命で文明が進化したロンドンの庶民の生活を、ある殺人者のストーリーを混ぜ込みながら紹介している。ロンドンの庶民の苦しい生活ぶりに文明ってなんだろっと思ってしまう。最後にある貴族の死の話が少しだけ載っていて、殺人者で処刑されたマニング夫妻と貴族の扱いの違いが白黒にコントラストに描かれていて考えさせるものがある。2025/05/06
nox
0
やっぱり犯罪の捜査記録みたいなものの方が後世の参考になりやすいのか。当時のロンドンの庶民生活の様子がある程度わかる。具体的に想像するにはこちらの知識が足りてなかった。ロンドンの地理やヴィクトリア期の歴史などだな。基本的には現代と大して変わらない面白みのない生活ってところか。社会階級の格差は時代を感じるが、その点は日本の総中流に慣れているからそう感じるだけかもしれない。2024/03/07
クドウヒロオ
0
資料感覚でゆるりと読みました。前提条件の通貨価値の話がマジで難しくてすぐ投げしそうになったが、あまり気にしないことで読めたw 中期くらいまでの話題が多いのと、殺人事件について繰り返し書いてありました。少しずつつまむ感覚で空気感を味わえました。2024/01/29