文春文庫<br> 須賀敦子の旅路―ミラノ・ヴェネツィア・ローマ、そして東京

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文春文庫
須賀敦子の旅路―ミラノ・ヴェネツィア・ローマ、そして東京

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  • サイズ 文庫判/ページ数 496p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167910419
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

出版社内容情報

旅するように生きた須賀敦子。生前から親交のあった著者が、ミラノ、ヴェネツィア、ローマ、東京と足跡をたどり、波乱の一生を描く。61歳で初の著作『ミラノ 霧の風景』を刊行し、衝撃のデビューを飾った須賀敦子。その8年後に世を去り、残された作品は数少ないが、その人気は衰えることなく、読者に愛されつづけている。2018年は、須賀の没後20年。その記念すべき年に、生前親交の深かった著者が、ミラノ、ヴェネツィア、ローマと須賀の足跡をたどり執筆したシリーズを加筆改稿し、新たに「東京」篇を書き下ろした。『コルシア書店の仲間たち』刊行直後に行なわれた須賀へのロングインタビューも初所収となる。

夫と暮らし、コルシア書店に通ったミラノ。夫を亡くした傷心を慰めてくれたヴェネツィア。晩年、ハドリアヌス帝の跡をたどったローマ。帰国後、『ミラノ 霧の風景』を書くまでの東京における「空白の20年」。須賀敦子の起伏ある人生をたどり、その作品の核心に迫る意欲作。

「この本の白眉はなんといっても書き下ろしの「東京」篇ということになる。〈略〉夫を失い、日本に帰国してから作家・須賀敦子が現れるまでに実に20年近い時間が経過しているのだ。この空白の20年にいったい何がどのようにして満ちていったのか。その謎が解き明かされる」(福岡伸一氏「解説」より)

大竹 昭子[オオタケ アキコ]
著・文・その他

内容説明

須賀敦子没後20年。親交の深かった著者が、ミラノ、ヴェネツィア、ローマと須賀の足跡をたどり、その起伏ある人生と作品の背景を探る。そして、初めて解き明かされる、帰国後『ミラノ 霧の風景』刊行までの東京における「空白の20年」。初めて読む人にも再読したい人にも最良の案内となる、清新な須賀敦子論。

目次

ミラノ(電車道;ムジェッロ街の家 ほか)
ヴェネツィア(島へ;橋づくし、小路めぐり ほか)
ローマ(アヴェンティーノの丘;カンポ・マルツィオ彷徨 ほか)
東京(空白の二十年;文体との出会い ほか)
ことばを探す旅 ロングインタビュー

著者等紹介

大竹昭子[オオタケアキコ]
1950年、東京都生まれ。79~81年、ニューヨークに滞在、執筆をはじめる。小説、エッセイ、批評など、ジャンルを横断して活動。須賀敦子とは、雑誌のインタビューで知り合い、亡くなるまで親しい関係にあった。朗読イベント「カタリココ」を開催中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

112
先日松山巌さんの須賀敦子に関する本を読んだばかりなのですが、書いてある部分があまりダブっていないので楽しめました。こちらはミラノ、ベネツィア、ローマ、それと帰国してから須賀が著作を発表するまでの空白の20年間といわれる時期を著作を引用しながら書かれています。大竹さんの文章も須賀さんが書かれているのではないかと思われるくらいに筆致が似ていて邪魔になりません。まるで本人が書いているのではないかという感じでした。2018/03/29

どんぐり

79
「ミラノ」「ヴェネツィア」「ローマ」の三部作に、帰国後20年間の空白から作家活動に入った須賀の足跡をたどる「東京」と「ロングインタビュー」を収載した2018年刊行の文庫本。既読の三部作は、著者が須賀と一体化したかのような筆致で心地良さをもたらすものであった。大竹は、須賀の創作の秘密として、人の孤独を取り上げ、その孤独は「宇宙のなかの小さな一点」のような魂のありようだと述べ、「人を絶望させ、悲愴感に追い込むものではなく、人間のだれもが、究極においては生きなければならない決意と励ましに満ちた孤独であった」→2024/03/24

佐島楓

66
須賀敦子さんの登場が、いかに凄まじい話題となったか、リアルタイムでその熱気を味わってみたかった。複数の言語を使いこなすということが文章に与える影響についても触れられてよかったと思う。人生は旅である。須賀さんは歩き続けるのをやめられなかった方なのだろう。2018/04/22

アキ

59
ミラノ、ヴェネチア、ローマでの朝の散策は気持ちいい。まだ観光客がまばらな石畳の路。その路を須賀敦子もかつて歩いた。イタリアを巡る旅は、大竹にとって彼女の精神に少しでも近づく方法。日本へ帰国後20年近くして60歳で生み出された文章には、自分なりの文体をみつけるためそれだけの時間が必要であった。文学を目指してついに作品を生み出した須賀の「自由と孤独」が背中あわせになった生き方と、知識と実存をいかに結びつけるか挑戦する人生であった、ということを明らかにする書。大竹の思い入れが最後のロングインタビューでよくわかる2019/08/22

ネギっ子gen

47
【書かれなかった期間は、文体が浮上してくるのを待つ時間】須賀と親交の深い著者が、ミラノやヴェネツィアを見て回った須賀敦子の足跡をたどった書。『須賀敦子のミラノ』『須賀敦子のヴェネツィア』『須賀敦子のローマ』を加筆改稿し「東京」を書下ろして、2018年に文庫化。カラー口絵。巻頭にミラノなどの地図。「ことばを探す旅」と題されたロングインタビューと略年譜も付す。解説は福岡伸一。著者は「はじめに」で、<須賀敦子という人は、人々の心のなかにある一言で言い尽しがたい部分を腑分けし、引き出してしまうとことがある>と。⇒2025/04/13

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