出版社内容情報
18世紀ロンドン郊外。ティファニーと二人暮らしの異母兄が急死した。自由になれたかもと思ったけれど、このままでは住む家がなくなってしまう。悩んだティファニーは異母兄の仕事、公爵家の図書係をこっそり引き継ぐことにした!
内容説明
18世紀ロンドン郊外。40歳の誕生日をむかえたティファニーは独身で、異母兄の世話をして暮らしていた。横柄に振る舞う彼のもと、お茶の缶には鍵がかけられ、昼食はなし、大好きな歌を歌うことも、本を読むことも制限される日々。そんなある朝、異母兄を起こしにいくと返事がない。日頃から体調が悪かった彼は、ベッドの上で息絶えていた。ようやく自由になれたかもしれないと思ったけれど、独身女性が就ける仕事はとても少ない。それにこの家は、異母兄のしていた公爵家の図書係という仕事のために、雇い主が貸してくれているものだ。このままでは住む家すらなくなってしまう…天涯孤独で行き先もないティファニーは悩み、大胆な決断を下す。それは、異母兄になりすまして、公爵家の図書係として働くことだった!
著者等紹介
ラーセン,サマンサ[ラーセン,サマンサ] [Larsen,Samantha]
アメリカのブリガム・ヤング大学とノース・テキサス大学、イギリスのレディング大学の学位を持つ。現在は夫と子どもたちと、アメリカのユタ州在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごへいもち
16
違和感がある面もあったけれど割と楽しんだ。表紙絵が可愛いな2024/11/03
Naoko Takemoto
10
40歳独身女性ティファニー、兄に傅く生活を送っていた。その兄は公爵さまの図書室で働いているが、ある朝、その兄がベットの中で死んでいた!さあどうしよう、兄に化けでもして働かないと生活できない!それで兄になりすまし公爵家でしれっと働いていたが立ち行き辛くなり、殺人まで起き…てなあらすじ。最近のコージーブックスは社会的で、男尊女卑、肌の色の違い、貧富の差、重い内容を織り交ぜながら、やんわりと問題提議をしているようだ。ただ…この小説は端々に無理があるよ。ビロードの付けボクロと白粉と鬘だけでは私は弟に化けられない笑2025/01/23
えむむ
8
表紙絵がかわいすぎてジャケ読み。ヒステリカルミステリー+ロマンス+男装とラノベ要素が色々詰まってて楽しかった。その割に、ミステリー部分は二転三転と本格的。有色人種の扱いも興味深く、今の英国事情を垣間見る思い。本国では続編も出てるようで次も楽しみ。2024/09/07
BECHA☆
7
のっけから主人公兄に腹が立つのなんのって、18世紀ロンドンのルールをここまであけすけに自己都合に引き付けてるのを読んだのが初めてだったからですね。ティファニーが白塗り・鬘・付け黒子で異母兄に化けて公爵家に出仕して以降、いつバレるかとハラハラして頁をめくる手が止まらず。シャーリー牧師は永久追放したい。冷静なエミリーが清涼剤。2025/02/28
ぱに
7
表紙のかわいさから気軽に手に取ったものの、内容は当時の女性やマイノリティの息苦しさがしっかり描かれておりなかなかの重さ。でも主人公ティファニーのめげないところや新しい世界に触れるシーンが素敵だし、ミステリーの部分も読み応えがあり先が知りたくてどんどん読んでしまう。当時の服装(男性の白粉、ふくらはぎを立派に見せる詰め物、女性のヘアセットなど)が詳しく描かれているところも興味深かった。1と銘打たれているということは続きがあるのかな?ティファニーやメアリー、サミールのこの続きも見たい!おもしろかった!2025/01/19