出版社内容情報
『死の相続』を超える、アメリカ黄金時代の最大の怪作!ついに封印を破って邦訳!誰も予想もつかない結末が到来する――。
『死の相続』を超える、アメリカ黄金時代の最大の怪作!
ついに封印を破って邦訳!
刑務所の所長による悪夢のような事件、そして密室の溺死事件が出来したあと、
誰も予想もつかない結末が到来する――。
内容説明
刑務所長のわたしに全囚人を見せて欲しいと、前触れなく刑務所をおとずれた女性。死刑囚を最後に「あんたはもう足を突っ込んでるのかもしれない」と言い残して死んだ。送られてきたメッセージにしたがって車に乗り込むと、それから悪夢のごとき長いドライブと予想もつかない冒険がはじまった。
著者等紹介
マーカム,ヴァージル[マーカム,ヴァージル] [Markham,Virgil]
1899‐1973年、アメリカ生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
36
ホルボーンへの同情や、「手紙の内容に自らの出生を思い起こさせるようなものがあった」などという強烈な動機と、現在の職業に対する倫理観などは、対立軸として最適だろう。ギャングの世界で意外な有能ぶりを見せるピーターズであるが、そもそも彼が一体何を考えているのかが読者に分かり辛い。ただストーリーに流されているようにしか見えない。途中「この人がファム・ファタールになれば面白そうだな」という女性が登場するが、あっさり退場し、フィルム・ノワールを見ていたつもりがいつの間にか密室殺人の謎を説くミステリになっている。2016/09/11
飛鳥栄司@がんサバイバー
17
序盤のド派手な展開から、まさかパルプフィクションなノリになっていくとは思いもよらなかった。途中、繰り広げられるギャングとの抗争では、主人公が飛び込んだ事件と大きくかけ離れている感じが否めず、一山去ったあとの真実へと向かうきっかけがあまりにも雑然としていて違和感がある。最後も重要人物からの告白が真実となり、冒険譚の締めくくりとしては物足りない。ただし、最終章は目を引くものがある。この最終章が本作の魅力であり、痛快さを余韻に残している。黄金期に書かれた作品としては怪作の部類であることは間違いないと思う。2015/11/14
maja
15
刑務所長ピーターズの悪夢の始まりは死刑囚ホルボーンの残していった言葉だった。彼は何に足を突っ込んだのか。足場を取ろうにも着地することのないように次々と広がっていく流れはとても好み。パルプ雑誌臭が漂う独特な雰囲気で引っ張り込んでいく力強さは、小屋の死体の密室の謎にまでうねる。そして全てはこのためにありというラストの衝撃、ピーターズの悪夢はめぐる。2022/06/17
光雲
1
刑務所所長の男が手紙に隠されたお宝を探す旅に出掛ける話。ごちゃごちゃし過ぎて場面や登場人物が把握しきれん‼私にはムリ!でした。頑張って意地で最後まで読んだけど、手紙のナゾや密室トリックもふぅんという感じ。この内容なら半分のページにできたのでは…2017/01/21
kanamori
0
☆☆★2015/12/03