出版社内容情報
大衆文学は独りでは生きられず「なかま」を求めねばならぬ者たちの文学である。
現状を諦観とともに受け入れる人々が、悪しき集団を内側からはねかえすときに連帯し、
「なかま」を求める様々な姿をこの十年の時代小説作品群から紹介。
内容説明
作家さんも絶賛する、これだけは読んでおきたい最強「時代小説」評論+読書案内。
目次
序 時代小説は「なかま」の活躍するステージとなった
第1章 時代小説のなかの「現在」(ともにたたかう「なかま」が「共和国」―佐々木譲『婢伝五稜郭』;たたかいのなか、ひとりが、やがて無数となる―佐々木譲『黒頭巾旋風録』;料理をステージに「弱い者の民主主義」が生起する―高田郁『夏天の虹 みをつくし料理帖』 ほか)
第2章 新趣向×新愉楽をたしかめる最新書評(家族の暗黒を直視し、一歩前に踏みだす―宮部みゆき『桜ほうさら』;時代小説の荒野へ、異風を求め踏みいれる―佐伯泰英『異風者』;生命への執念たぎらせる、異端たちの果てぬ狂宴―山田風太郎『幕末妖人伝 時代短篇選集1』 ほか)
第3章 藤沢周平、井上ひさし、山本周五郎(人々の生活と感情がコラムに盛られた―『甘味辛味業界紙時代の藤沢周平』をめぐって;終わりの「橋」、始まりの「橋」―藤沢周平の「橋」をめぐって;海坂、または逆境のユートピア―時代小説でもっとも有名な藩の真実 ほか)
著者等紹介
高橋敏夫[タカハシトシオ]
1952年香川県生まれ。早稲田大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、早稲田大学文学部・大学院文学研究科教授。文芸評論家、演劇評論家。学生時代より時代と社会を鋭く意識した文芸評論家として活躍。しだいに演劇・映画・マンガ・音楽などへと対象をひろげる。『藤沢周平~負を生きる物語』(集英社新書)で第15回尾崎秀樹記念・大衆文学研究賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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