出版社内容情報
京都の小さな塾で講師を務める凪子。
不倫相手と会えない空白の時間を埋めるために、毎夜他愛もない手紙をしたため続ける。
やがて小説家になる夢を抱いたまさにそのとき、残酷な運命が凪子を絡めとり……
内容説明
京都の小さな塾で講師を務める凪子(なぎこ)。ふとしたきっかけから教え子の父親、黒木と付き合いはじめるが、いつからか会えない夜の耐え難い苦しみが凪子を襲う。そんな絶望の時間を埋めるため、凪子は筆を執った。他愛のない手紙を何通も、何通も―一文字一文字が、一秒一秒の寂しさを埋めてくれた。だが、小説家になるという果てしない夢を抱いた、まさにそのとき残酷な運命が凪子を絡めとることに。
著者等紹介
小手鞠るい[コデマリルイ]
岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。1981年、第7回サンリオ「詩とメルヘン賞」を受賞。93年、第12回海燕新人文学賞を受賞。05年『欲しいのは、あなただけ』(新潮社刊)で第12回島清恋愛文学賞を受賞。06年に発表した『エンキョリレンアイ』がベストセラーとなり、続篇の『サンカクカンケイ』『レンアイケッコン』(以上世界文化社刊)も発表。恋愛三部作として話題を呼ぶ。09年、原作を手がけた絵本『ルウとリンデン 旅とおるすばん』(絵/北見葉胡)でボローニャ国際児童図書賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiru
36
あまり読まない恋愛系だけど、わたしの好きな京都が舞台だからと薦められて読んだ本。主人公のする恋は、不倫。会えない時間の長さとか、夜の果てしなさとかは『不倫』かどうかではなく、『恋愛』ってこういうものだったなあって懐かしくなった。★22017/12/12
*さくら*
32
そう。泣くほどの恋じゃない。そういう意味だったのね…。読みながら、終着点のない恋に思いを寄せてはぽろぽろとあふれる涙を止められなかった。主人公の彼を強く思う、いじらしい気持ちが切ない。彼が一番大事にしているものを壊さず、そこも含めて恋しては大事にする様。中々できるものではない。少なくとも私には無理。後悔するくらいなら、半歩でも一歩でも前へ前へ進みたい。主人公はある意味、前に進んだけれど。もっと早く行動に移すことはできなかったのかな。もっと早く行動してれば、少しは何かが動いたのかもって思わずにいられない。 2019/02/21
ann
30
数年前に読んだ同作家の不倫短編小説がとっても響いたので、期待大で読み始めたら、、、。、、、。なんか肩透かし。男性側の息子の話、いる?もっとサラりとしながらも身悶えするような気持ちの揺れを描いた不倫小説が読みたかったのになー。2023/07/31
ケイ
13
題名から期待できたほどの本じゃないって感じかな。男性の京都弁がなんかこてこて過ぎで、主人公がそこまでのめりこむ理由がよく理解できなかった。書き出しや、ところどころの表現にはっとするほど素敵な文章はあったのだけれど。何かもう一つ足りない2012/06/19
ムック
13
忘れられない恋か~確かにあるけれども、年月がたってみるとまあ良い思い出かなー。にしても不倫はいかんぜよ。黒木さんの奥さん、本当は気付いてなかったのかな…とか、どうしてもそちら側が気になってしまって主人公に共感し切れなかった。2012/06/13
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