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ミステリー・リーグ
水魑の如き沈むもの

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  • サイズ B6判/ページ数 569p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784562045419
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

奈良の山中の村で、珍しい雨乞いの儀が行なわれるという、村に豊かな水をもたらす湖には水魑という神様がいるとも―。その儀式の最中、刀城言耶の眼前で事件は起こる。さらに儀式の関係者が次々に不可解な状況で殺されていく。二転三転のすえに示された真犯人とは…。刀城言耶シリーズ長編書き下ろし。

著者等紹介

三津田信三[ミツダシンゾウ]
2001年に『ホラー作家の棲む家』でデビュー(文庫化の際に『忌館―ホラー作家の棲む家』と改題)。ホラーでありながらもミステリ的な仕掛けにもこだわりを見せた独特のストーリーテリングで注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

147
この作者のものは時たま読んでいるのですが、横溝正史を思いださせてくれます。時代背景がうまいですよね。戦中の話や戦後すぐで今のような警察体制がまだまだなときに素人探偵が犯罪を明らかにしてくれていきます。おどろおどろしい感じをうまく表現でしていて、最近は現実的なものばかりが増える中では貴重な探偵小説です。2018/08/17

えみ

72
何とも言い表せない居心地の悪さというか、おさまりの悪さというか…そういうものがごちゃ混ぜになって、もとから感じていた薄気味悪さに拍車がかかってハッキリとした不気味さを読了後の今、ダイレクトに感じとっている。衰え知らず、さすが刀城言耶シリーズだ。人を呑み込むような強烈な気配は恐怖という支配でその村に君臨していた!?雨乞いの儀で呼んだのは水をもたらす水魑という神様だけじゃない、人の死まで呼んでしまったようだ。連続殺人事件へと発展したその背景には何が隠されている。どんな怪異が見える。言耶の名探偵ぶりは健在だ!2022/12/09

ヒロユキ

68
謎解きが始まってからの重厚さかすごかったです。推理の前提条件からのミスリードにはまんまと深みに嵌まってしまいました。というか養子やらなんやらで家系図はややこしいし、儀式中の事件の不可思議さや連続殺人と考えるのを放棄してしまいかねないほどの濃さ。ただのこの感じこそ読みごたえのある本格ミステリです。2012/04/10

sayan

53
独特の音を用いた作品に惹かれる。音(サウンド)として耳に届く作品、あるいはカイジ(漫画)で頻出する音の字面が脳内再生されるのも興味深い。さて、本書。雨乞いの儀式をつかさどる村の宮司が連続して不可解な状況で殺される。その謎解きを軸に、リズムよく展開し、600ページ近い量を感じない。ある人は、擬音語・擬態語が駆使され肌に迫ってくるような描写と評する。地域特有の表現音、自分の生活圏で耳にすることがない様々な音は、隔靴掻痒の感があり、その違和感が楽しい。本書は刀城言耶シリーズの1冊に位置する。他の作品も楽しみだ。2018/10/07

幸猪

40
今回は、雨乞いの儀式の最中に事件が起きた。 三津田ワールドは、決して犯人は、悪人ではない。とりまく因習深い環境と、悪質な権力者がそうさせた。 警察を介入させない設定なのは、最後に逃亡する犯人を、せめてどこかでひっそりと幸せに暮らしていると、読者に想像させるためだろう。時が、戦前から終戦そして戦後で、のどかな田舎に、ゆっくりとした時が流れる日本の原風景を思わせるところ。 現実の感覚では解釈できない、あくまでも、民族・風習的に確立されたミステリー小説と理解できる。2019/09/17

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