内容説明
ナチスの嘘は、たんに人を欺く戦術に付随する現象というだけではなく、犯罪的エネルギーの核をなすものである。過激化や、新たな歴史への順応の時期をへたあと、このイデオロギーは1928年から1933年までのわずか5年間で、ドイツの大多数の人々の心をとらえ、政治的にも社会的にも大勝利を収めたものである。嘘で塗り固められたヒトラー帝国の恐るべき全貌を初めて明らかにする。
目次
第1部 ナチズムの嘘と真実
第2部 ヒトラーの嘘
第3部 国家社会主義の数々の嘘
第4部 アルマ・マーテルの嘘、科学のナチ化
第5部 あらゆる種類の嘘つきたち
第6部 追悼の嘘、偽装された喪
著者等紹介
コスロン,セルジュ[コスロン,セルジュ][Cosseron,Serge]
1949年生まれ。歴史学者。ヴァイマール共和国時代のドイツを専門とし、当時の社会運動にかんする数多くの著書がある
太田佐絵子[オオタサエコ]
1958年生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学専攻卒業。翻訳協力多数。千葉県柏市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ルナティック
2
申し訳ありませんが、「困ったナァ!」的本。人物紹介では、殆どを精神的疾病を匂わせる点には辟易。そう言う視点で、この関連本を読むことを歓迎する方もいるかもしれないが、私は勘弁って思う。「嘘」ということを論じるにも、一方向からの視点に終始し、文体から冷静さを感じられない。持論を展開するのも良いが、読者に判断を委ねようとする気がないようだ。私には、合わなかった。2014/03/26
おるた
1
持論を進める際に用いる事例が同性愛や精神異常の話だったりと、少し納得いかないものが多いように感じる。2014/01/14
石野 真
0
ナチスドイツが如何に民衆を煽って政権を執り、ホロコーストなどを実行してきたかを示している。ゲッペルスに限らずその他のナチス等に属する人間が、アーリア人の優越性をときながらも裏では国家社会主義では否定される同性愛や薬物依存などに浸っていたことが描かれている。気持ちの良いものでは決してないが、歴史を語る上で考えなければならないものだと感じた。2009/12/23
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