内容説明
世界最強といわれる部隊で、肉体と精神の限界をきわめた過酷な訓練に耐えたカナダ生まれの著者が、アラブ人としてパレスチナへの潜入工作に成功するまでの全記録。生と死の限界に挑んだ一兵士の迫真のドキュメント。
目次
第1部 ビヴァリーヒルズから、イスラエルへ(生いたち;ミリタリースクール ほか)
第2部 特殊部隊(基礎訓練;戦争習慣 ほか)
第3部 工作員(最初の任務;大きな仕事 ほか)
第4部 イスラエル式テロ対策(最後の日々;イーラン ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yoko Narano
1
イスラエル軍特殊部隊の訓練課程は「洗脳」そのもの。著者も残酷と書いているが。そして一年半訓練しても、現役の潜入工作員を続けられるのはせいぜい十ヶ月。それ以上やると、人間的におかしくなるからだって。一度オンになった攻撃性は一生オフにできない。ただ、著者は警備会社を設立して昔の仲間と働くことで、PTSDや抑うつ、孤独からずいぶん救われていると思う。世の中こういう人生を選ぶ人もいるんだ、、、という。イスラエル人の排他的な思考、イーランのキャラは興味深い。2016/04/14
滝ボーヨ
1
十代の終わりを対テロ特殊部隊に捧げた1人の青年のドラマ。地獄の様な訓練の末バケモノじみた肉体の強さを手にいれた彼の姿は、マンガに出てくる頼もしきヒーローのように見える。しかし実戦の中で目撃した凄惨な暴力と死の匂いに彼の精神は蹂躙され、容赦なく踏みにじられる。特殊部隊の内部事情を知れるルポ的な内容ではあるが、ここに描かれているのは人間の根源的な狂気と暴力への恐れである。展開するイメージはマチズモに満ちているが、その奥に潜む青い孤独感が印象的な本だ。2012/12/20
co1024
0
対テロ対策のために過酷なトレーニングを乗り越えたことは尊敬できるけど、イスラエルの駒に過ぎないのが虚しい。2015/01/11
キミ兄
0
イスラエルタイテロ特殊部隊に入隊したカナダ系米国人。米国とイスラエルの安全に対する意識の違いなど。☆☆☆☆。2010/08/01
shonai428
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(第2部第10章P.128より)「覚悟しろ!」イーランが叫んだ。「法律上、ミトカン・アダムでは許されなかったようなことも、ここではどんどんさせてやるからな」 …「法律上」の文言が怖すぎる(;゙゚'ω゚'): その場にいた兵士たちの戦慄が伝わってくる迫真の場面。 運動部の合宿の1万倍ぐらいの辛さであろう。2011/01/01