内容説明
「グリンドル樫にコンドルが留まると盆地に死が訪れる」。片田舎の小さな村で少女が失踪した。村人総出で探したが見つからなかった。村では最近、猫や猿、鵞鳥などのペットが次々にいなくなっているという。これが少女の失踪になにか関係はあるのか。やがて少女の父親が水死体で発見された。彼は娘の居所をつかみかけていたようだったのだが…。
著者等紹介
武藤崇恵[ムトウタカエ]
東京生まれ。成蹊大学文学部卒。英米翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
22
合作作家のノンシリーズもの。少女が行方不明になって動物が惨殺される。登場人物一覧欲しいに一票。冒頭からいろんな登場人物が出て来るので正直整理するのが大変だった。主人公いろいろと鈍すぎ!彼女は苦労するだろうなぁ。陰惨な事件だったがラストは明るく終わって良かった。2015/09/02
紅はこべ
8
読んでいるうちに語り手が探偵なのか容疑者なのか疑わしくなってくる、めくるめく感覚。2009/02/22
造理
6
★★★☆☆ 読み終わって一言「気づいてなかったんかーい!」と突っ込みたくなる主人公のボケっぷりが魅力。事件は少女の失踪に始まり、惨殺死体、動物虐待とダークですがユーモアを上手く混ぜバランスが取れています。解決は割とあっさりですが伏線もあり納得です。2016/06/11
やっす
6
『芳香漂う大人のヴィンテージミステリ』。まさに看板に偽りなしです。パトリック・クェンティンはやっぱりいい。作品中に漂う不気味な雰囲気と真相解明時の異様な迫力がとにかく目を惹きます。完全にフェアとは言えないし、決め手となる手がかりも遅出し気味だったりもするのですが、錯綜するアリバイに対する解答には意表をつかれますし、(語り手の)同居人達の不可解な態度の意味が最後の最後で氷解し、救いのある結末で幕を閉じる演出も心憎い。別名義の作品も含めたさらなる未訳作品の紹介を期待したいです。2014/02/10
lovemys
4
面白かったぁ~♪クェンティンって、やっぱりいいなぁ~♪初めは登場人物が多すぎてよく分からなくなってしまったけど、それよりも先が気になり、どんどんと読み進めてしまった。これで納得のいくような解決できるのかなぁ~?と、途中心配になったりしたが、最後にはスッキリと、そして感動すらしてしまった(笑)あまりにも怪しい動きの人が多すぎて、ヤツが犯人か?いや、実はヤツか?なんて思いながら読むのがやめられない(笑)犯人が分かる過程は、ドキドキしてしまったー(笑)なんとなくユーモアが漂うミステリーで、とても楽しかったです♪2016/06/08