内容説明
「でも―殺人だなんて」ヴィッキー・フェインは、夫アーサーが浮気相手を殺していたことを知らされる。叔父ヒューバートがその一部始終を見ていたのだと。アーサーとヒューバート―殺人者と恐喝者の奇妙で危うい同居が、やがてフェイン家に悲劇をもたらすことになる。晩餐の余興として催眠術が披露され、術をかけられたヴィッキーはアーサーを短剣で刺殺してしまう。余興用のゴムの短剣が、誰も気づかないうちに本物にすり替えられていたらしいのだ。しかし不可解な事件は、これで終わったわけではなかった。ヘンリー・メリヴェール卿が担ぎ出され、悪態とともに突きつけた真相とは…。論争を巻き起こした巨匠最大の問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おりん
31
面白かった。良作。翻訳が良く、読みやすい。また、アンフェアギリギリではありながらも最後に明かされるまさかの真実には唸らされてしまいました。素晴らしい。そして密室もあります。こちらは小粒のトリックなのであまり感心はしませんでしたが。難点は、登場人物が少ないので何となく犯人の目星がついてしまう点でしょうか。ただし、犯人あて以外の観点から、そうだったのかという驚きはしっかり用意されているので、驚きが欲しい人、びっくりしたい人にはお勧めの本だと思います。2018/09/15
星落秋風五丈原
9
「でも—殺人だなんて」ヴィッキー・フェインは、夫アーサーが浮気相手を殺していたことを知らされる。叔父ヒューバートがその一部始終を見ていたのだと。アーサーとヒューバート—殺人者と恐喝者の奇妙で危うい同居が、やがてフェイン家に悲劇をもたらすことになる。晩餐の余興として催眠術が披露され、術をかけられたヴィッキーはアーサーを短剣で刺殺してしまう。余興用のゴムの短剣が、誰も気づかないうちに本物にすり替えられていたらしいのだ。ヘンリー・メリヴェール卿が突きつけた真相とは…。論争を巻き起こした巨匠最大の問題作。 2006/08/23
ホームズ
8
なんと言うかフェアープレイとは言えない作品ですね。何回読んでも好きにはなれないですね~。事件の展開はそれなりに良いしH・Mも相変わらずですが・・・。2011/10/12
ホームズ
8
「認められた」事実 って所がポイント。ちょっとわかりにくかな(--;)フェアープレイとは少し違ってしまうのでは?(--;) 催眠術で夫を殺害してしまう妻。ゴムのナイフが本物のナイフにすり替えられている。トリックが(--;)それは微妙かな(--;)2008/09/03
クランチ
7
やっぱりトリックが「ちょっと無理がないか?」と思ってしまう。でもH・M卿の人物描写は面白くて好き。「人間が書けない」現代のミステリ作家と一線を画している2010/12/07