内容説明
カントクに選手生命を台無しにされたと、失意のうちに自殺したアユミ。ジェシカは自分のことのように胸を痛め、カントクを憎んだ。―それから七年、ジェシカは導かれるように、そこへやって来た。目の前には背中を向けてカントクが立っている。ジェシカは側にあった砲丸に手を添える。目を閉じるとアユミの面影が浮かび上がる―。死んだ彼女のためにしてやれることといえば、もうこれしかないのだ。
著者等紹介
歌野晶午[ウタノショウゴ]
1961年千葉県生まれ。東京農工大卒。88年に島田荘司の推薦を受けて『長い家の殺人』でデビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K
59
歌野晶午さんだし何かあるだろうと思っていたけど分身に惑わされて途中まで頭がこんがらがりそうでした。トリックとしては少しずるい気もするけど面白かったです。2016/10/30
Gemi
29
あ、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。今更ですが。(笑)歌野晶午さんの本をブックオフで発見。久しぶりにブックオフで買い物したな。これはなんだかあっさり読み終わった。「うぉ!」とか「えぇ!」とかの感動は控えめ。まぁ最後には「ほぉほぉ、なるほど」と思わせるけど基本控えめ。パンチが弱い。さすがにあの有名タイトルの「葉桜の季節に君を想うということ」のインパクトはない。「密室殺人ゲーム」ほどそそられない。まぁ可か不可かと言えば不可寄りかも。好きな作家さんだけどまぁこんなこともあるね。2018/01/14
うーちゃん
28
エチオピア人の女子マラソン選手が主人公という異色の作品。トップアスリートの過酷で壮絶な世界。東野圭吾「鳥人計画」を思い出した。この作品で使われているトリックに関しては、たしかにギョッとはするものの"ヤラレタ"感は少なく、むしろ「えっ!だから何?」と思ってしまうのが惜しい。話はすごく面白いので。読者の先入観を利用したミスリードの手法は歌野さんらしくはあるのだが、あることに関する(読者側の)知識のなさに依りすぎてはいないだろうか。地味だけど思いやりあるジェシカのキャラクターは好きだった。2015/10/13
あっちゃん
24
途中、何度も違和感を感じてページを戻ってみたりしたけど、最後まで解らなかったから、ドンデン返しとして私的には出来が良いけれど、それ以上に内容に心惹かれた!2015/01/12
ふみ
24
また、いろいろ 騙されちゃったわwww かっちり組み立てられたミステリーでした。読後感も珍しくさわやか。2014/04/13
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- 和書
- 本音を申せば 文春文庫