内容説明
資産家の独身女性ベアトリスは、一通の心ない中傷の手紙を苦に自殺をはかった。自殺の現場には手紙の燃えさしがあったがなぜか封筒だけが見つからない。そしてその数日後には、件の手紙を調査していた男が死体で発見された。容疑は自殺した資産家の遺産相続人の指名を受けた女性開業医に向けられた。彼女は犯行時刻、現場近くに居合わせていたことが明らかになるのだが…。
著者等紹介
大山誠一郎[オオヤマセイイチロウ]
京都大学在学中は推理小説研究会に在籍。広島県在住
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
38
ある人物の登場ぶりでの「わしゃ、知らん」からの周りの反応に「ダチョウ倶楽部かっ!」とツッコんでしまいました。でもその片鱗は罵り言葉にしっかり、出ていた(笑)嫌われ者だけど正々堂々としているハリー・ロルトさん、いい男だよ・・・。最後のヘレンのロマンスの成立とギャフン劇に万歳!それにしても『お楽しみの埋葬』の豚のごくつぶしといい、『大聖堂は大騒ぎ』のアレや『愛は血を流して横たわる』の老犬のメリソート、この作品の猫のジャスミンなど、クリスピン作品に登場してくる動物は皆、いい働きをしているよね^^2014/05/16
あら
2
特に感想は出てこないけども。一昔前の人が書いたものは、それはそれで趣深い。男女がいきなり、婚約するとか、どうとらえたら良いのかわからんけど、ビックリはした。2024/02/08
ねちゃぴん
2
捜査の段階がほとんどなく、いきなり解決編なのでちょっとびっくり。2011/07/22
madhatter
1
フェンがなかなか表に登場しないせいか(笑)ユーモアは割と抑制された印象を受ける。また、推理小説としても、ある手掛かりに関しては、情報の開示が不十分であるなど、不満がないでもない。しかし、よく造り込まれた作品であることも確かだろう。中傷の手紙のパターンから派生した、ある事件については、伏線の効かせ方が非常に巧緻である上、読者の目を眩ますミスリードも大変うまい。2012/05/25
Masako Yamada
0
1951年作品。ブナやカバの木、アズマキクが咲く英国の村。ここを別荘にしている人たちと、弾かれる肉屋や材木屋一家。牛に歌いかけながら、のんびりのりこんでくるダチュリー氏。知性とウイットの英国ミステリー。若い男女がキスひとつにもためらい、女性はきちんとダチュリー氏の胸に偶然だが気絶する。このところ女性の気絶なんて詠むことはほとんどない昨今、なつかしい。牛の唱和も。2017/09/11