内容説明
1948年の独立戦争から56年のシナイ戦争、67年の六日戦争、73年のヨム・キップル戦争および第一次から第四次までの中東戦争と81年のレバノン作戦まで、総ての戦いに直接係わった体験を交えた第一級資料に基づき、その発端から終結に至るまでを120点以上の詳細戦闘図と共に解説。戦史研究の第一級の書として、1983年度の英国H・H・ウインゲート賞を受賞。
目次
1 独立戦争―1948年~1949年(パレスチナの対決;アラブ正規軍の侵攻から第1次休戦まで;第2次休戦までの戦い;決断の秋)
2 シナイ作戦―1956年
3 六日戦争(第2次シナイ作戦―南部正面の戦い;ヨルダン正面の戦い;ゴラン高原の激戦)
4 消耗戦争
5 ヨムキプール戦争―1973年(南部正面の戦い;北部正面の戦い;航空戦と海戦―地対空ミサイルと“空飛ぶ砲兵”)
6 対テロリズム戦争―エンテベ救出作戦
7 ガリラヤ平和作戦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
2
著者は第二次大戦中、イギリス軍に従軍し、戦後は独立戦争からイスラエル軍に参加し、後にイスラエル大統領も務めた人物。1948年のイスラエル建国時の第一次中東戦争から、1982年のレバノン紛争(ガリラヤ平和作戦)に至る、イスラエルとアラブ諸国との軍事衝突の歴史を詳細に記述した、日本では数少ない本。勿論、イスラエル側からの視点ではあるが、アラブ側の状況についても色々と書かれており、中東紛争に関する理解は深まる。何回戦っても、数の圧倒的な優勢を活かす事が出来ずに敗北しているアラブ側を見ていると、不思議な気分になる2024/05/08
Chi-ha-ru
1
「武器がないので戦車を20~30mまで引きつけて(火炎瓶で)撃破してください」から「メルカバでシリア戦車に圧勝」までのイスラエル軍の成長っぷりはすごい(というかアラブ側は数的有利をなぜか生かせない)。消耗戦争やエンテベ襲撃もあるよ。2014/10/21
下呂子(げろこ)
1
リファレンス的に読むことが多い
俊太郎
0
イスラエルが独立戦争から経験した各戦争が非常に詳細に書かれている。詳細すぎて読者を選ぶ。戦術的にどう戦ったか、誰がどう指揮したか、どんな兵装でどれだけの兵力だったかというような点に興味がある場合には非常に有益か。政治的、思想的な流れを追う本では無い。2017/11/20