出版社内容情報
百貨店は、バブル崩壊以降、様々な市場環境変化に直面し、「冬の時代」と言われて久しい。特に現在は、コロナ禍も重なり衰退段階にあるとまで言われる状況にある。一方でその間、百貨店の根本的な問題が何なのか十分に検討し、それを解決すべく対応してきていないと著者は言う。
本書はこれまであまり取り上げられてこなかった「消費者の百貨店離れ」の実像とはどのようなものなのか、を明らかにしようと試みる。そして、危機的状況を不況や取引慣行に帰するのではなく、消費者への調査により、百貨店と競合業態、また百貨店間の「同質化」を検証し、消費者が期待する「百貨店像」を描き出す。
消費者基点での百貨店の存在意義と今後の事業戦略へのアプローチを提示し、研究者だけでなく、実務にも有用な内容となった。
内容説明
いま、そしてこれから、百貨店に期待されるものは何か?調査検証から導かれる、競合業態および業態内でのポジショニングのあり方とは?危機的状況を、「不況」や「販売力の低下」に帰する議論とは一線を画すアプローチ!
目次
消費者基点の“百貨店離れ”検討のための視点:リテールブランドを中心として
第1部 消費者ライフスタイルと百貨店との関係性:百貨店の市場における役割の確認(百貨店とは:百貨店の定義とその課題;ライフスタイル(生活様式)の変化とライフスタイル・ベース・マーケティングの重要性
わが国の百貨店の変遷)
第2部 百貨店リテールブランドの同質化の検討:他業態および百貨店間の消費者評価の比較(サービス品質尺度を用いた百貨店業態とSCおよび百貨店間の「同質化」の検証;大型小売業態における百貨店の店舗環境要因とブランドイメージの「同質化」の検証―SC評価との比較を中心として)
第3部 百貨店衰退期における百貨店の課題と戦略(現代の百貨店の課題と戦略;ニューノーマルおよびDX時代における百貨店の方向性)
著者等紹介
圓丸哲麻[エンマルテツマ]
大阪市立大学大学院経営学研究科准教授。2004年、青山学院大学経営学部経営学科卒業。2006年、青山学院大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。修士(経営学)。2011年、関西学院大学大学院商学研究科博士後期課程修了。博士(商学)。阪急百貨店(現阪急阪神百貨店)、麗澤大学経済学部経営学科助教授等を経て、2019年より現職。専門は、消費者行動、マーケティング(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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