出版社内容情報
ヘンリー・ジェイムズの文学に見られる「異文化対立」と「道徳」の関係に焦点をあて、その構造を明らかにする。
英米心理主義小説の先駆者として知られ、文学史上に燦然と輝く作品を数多く残したヘンリー・ジェイムズ。その小説に繰り返し表される「異文化対立」と「道徳」をキーワードとして、彼の思想の本質を捉える。
序 論
第一章『ある婦人の肖像』――運命との対峙――
1. オズモンドとの対立要因
2. ローマの廃墟(←「墟」は正字で)とイザベルの位置
3.「オズモンドに戻る」説の問題点
4.「碾き臼」の意味と「認識の転換点」
5. 運命に対峙する(ゲームを拒否する)
第二章『ポイントンの収集品』――精神的な美の評価――
1. ゲレス夫人及び収集品との出会い
2. オーエンとの会見
3. ポイントンの屋敷の火事
第三章『メイジーの知った事』――不毛の浜辺の播種――
1. 物語が真実である年頃
2. ミセス・ウィックスとメイジー
3. メイジーの最終的判断
第四章『鳩の翼』――現世と死後の世界――
1. 現実と幻想の共存
2. ヴェニスと鳩
3. ミリーの赦しと、翼を広げる行為
第五章『黄金の盃』――悟性による選択――
1. マギーを取り巻く状況
2. ゴミ入れのダイヤモンドと黄金の盃
3. マギーの選択
結論
あとがき
引用文献表
索引
内容説明
英米心理主義小説の先駆者として知られ、文学史上に燦然と輝く作品を数多く残したヘンリー・ジェイムズ。その小説に繰り返し表される「異文化対立」と「道徳」をキーワードとして、彼の思想の本質を捉える。
目次
第1章 『ある婦人の肖像』―運命との対峙(オズモンドとの対立要因;ローマの廃墟とイザベルの位置;「オズモンドに戻る」説の問題点;「碾き臼」の意味と「認識の転換点」;運命に対峙する(ゲームを拒否する))
第2章 『ポイントンの収集品』―精神的な美の評価(ゲレス夫人及び収集品との出会い;オーエンとの会見;ポイントンの屋敷の火事)
第3章 『メイジーの知った事』―不毛の浜辺の播種(物語が真実である年頃;ミセス・ウィックスとメイジー;メイジーの最終的判断)
第4章 『鳩の翼』―現世と死後の世界(現実と幻想の共存;ヴェニスと鳩;ミリーの赦しと、翼を広げる行為)
第5章 『黄金の盃』―悟性による選択(マギーを取り巻く状況;ゴミ入れのダイヤモンドと黄金の盃;マギーの選択)
著者等紹介
阿出川祐子[アデガワユウコ]
1970年奈良女子大学大学院修士課程修了。1973年ミシガン州立大学大学院修士課程卒業(M.A.)。1974年ドイツハイデルベルク大学ドルメチャー・インスティチュート留学期間修了。1980年4月より1年間イギリスケンブリッジ大学にvisiting scholarとして在籍(ダーウインコレッジ・メンバーシップを与えられる)。1998年4月より1年間イギリスケンブリッジ大学にvisiting scholarとして在籍(ダーウインコレッジ永久メンバーシップを与えられる)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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