出版社内容情報
「フォレンジック会計」は直訳すると法廷会計あるいは訴訟会計となるが、会計不正や営業損害に関する訴訟を扱うだけではなく、それを報告・証明するための調査・証拠収集活動も含む。従って、その取り組みにあたっては実体法・訴訟法に関する知識に加え、会計や定量分析などについての知識も幅広く必要とされる。日本でも社会の耳目を集める会計不正や多額の営業損害の賠償事例が増えてきており、また会計の複雑化やIT化が進んでおり、重要性だけでなく難易度も高まっている。
本書は、フォレンジック会計に関する本邦初の研究書である。この分野で先行して研究が進む米国の状況を踏まえた上で、第1部において、日本の会計不正の事例を整理し、さまざまな不正検出手法や防止策などを議論する。第2部は、株式価値算定、組織再編、倒産処理、商業的損害など法律専門家と会計専門家が協働するテーマを横断的に取り上げ、互いに理解を得ておくべき要点を中心に整理する。また、補論において、米国のフォレンジック会計科目のケースを収録した。
これまで会計不正や粉飾決算についてケース・スタディなどで調査しまとめた著作は多いが、法律と会計が交錯する分野を横断的に解説する入門書・基本書がほとんどない。本書は、研究と実務を通し、多くの事例を用い普遍的な説明を行っており、極めて貴重な一冊である。
内容説明
会計プロフェッションと弁護士・裁判官等の法律専門家との共通理解を醸成する。フォレンジック会計の概要から株式価値算定、組織再編、倒産処理、営業損害など、会計プロフェッションと法律専門家が協働するテーマを横断的に取り上げ、互いに理解を得ておくべき要点を中心に整理する。
目次
序章 フォレンジック会計の概要
第1部 日本における会計不正の実態分析(会計不正の実態と不正理論;不正検出手法;ガバナンス責任者視点からの不正対応策;非営利組織における不正;デジタル・フォレンジックの活用;不正をめぐる対応と責任)
第2部 会計と法律の連携(会計士と弁護士の協働;会計士の訴訟関与;営業損害の算定;補論:米国におけるフォレンジック会計の実務)
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