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内容説明
2045年、大阪。未来で語られる“バンパクの思い出”、AIと人間が共に働く科学館、街から失われる音楽、細々と紡がれる伝統と歴史、そして、そこに生きる人々―。そこにあるのが絶望でも、希望でも、このまちの未来を想像してみよう。大阪を知る10名の作家が綴る、2045年の大阪の物語。大阪/京都を拠点にするKaguya Booksより、待望の地域SFアンソロジー第1弾!
著者等紹介
正井[マサイ]
同人誌やオンラインでの執筆活動を続け、発表した作品はプロのSF作家達からも高い評価を受けてきた。2014年にSF短編集『沈黙のために』を発表。第1回ブンゲイファイトクラブで本戦進出、第1回かぐやSFコンテストでは最終候補入り(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
里愛乍
54
2045年の大阪を描くSFアンソロジー。全作品通していえるのは近未来でもゴテゴテの大阪弁は健在だということ、これには納得と妙な安心感。どうにもザワつく展開でも大阪弁がテンポよく進めてくれるから、深刻でありながらもノスタルジックみすら覚えてみたり。ただひとつだけ言いたい!阪神は2023年優勝してます!!勿論並行世界とかあるでしょうし、でもいくら近未来小説でも断定は…しかも発行日2023年8月なんだからもうちょっとなんとかならんかったんやろか、などと我ながらめんどくさい読者だな!と思わなくもなかったですが⭐︎2024/05/06
ひさか
21
2023年8月社会評論社刊。8つの地域SFアンソロジー。シリーズ2作目。玖馬さんのAIについての真っ向からの取り組みと気の利いたアイデアが楽しく、斜め上方向の展開が面白い。全編大阪弁(関西弁)炸裂で大阪弁世界は描けているものの、未来は霞の中のままで、そう簡単に見通せるほど甘くはないということは伝わってきました。2023/10/30
練りようかん
14
2045年がテーマのアンソロジー。今年の万博から20年後、アジア太平洋戦争から100年後、さらにシンギュラリティの問題もあり2045年は特別な年なのだと意識。進んだ未来視点というより未来から過去へそしてネオ未来へという揺り戻しを感じたことが印象的だった。10作家の中で特に面白かったのは2編。科学と文化、主人公の仕事と文楽の繋がり方が深イイ話だった玖馬厳「みをつくしの人形遣いたち」と、若者が住む靱公園前のマンションに入居する玄月「チルドボックス」は絶望から浮上する希望が素敵で、大阪の地を強く感じて良かった。2025/04/22
かもすぱ
9
2045年の大阪がテーマのアンソロジー。万博要素をメインにした作品が多いぶん、万博を避けた作品が際立つ。『みをつくしの人形遣いたち』『チルドボックス』『かつて公園と呼ばれたサウダーヂ』が良かった。どの作品も大阪以外への言及がほとんどないものの、日本全体としてシュリンクしている社会が感じられ、さらにその中で大阪という都市・行政・人々がどう暮らすのかを感じられた作品が多く良かった。2023/11/08
不璽王
6
京都の方もそうだったけど、SFという「飛躍」のジャンルと土地という「重力」のテーマの噛み合いが良くて一つ一つの作品はかなり楽しめた。維新への恨み言で胸焼けしそうではあるが2023/09/07
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