出版社内容情報
高度成長期初期に隆盛を誇っていた繊維・アパレル産業は、早々にアジアの後発工業国との競合にさらされるようになり、現在は輸出するどころか国内シェアも奪われ、事業をたたむ企業も大変多い。
本書は、このような状況下でも成功を収めている岡山のジーンズ産業と今治のタオル産業、また比較対象として未だ衰退が止まらない岐阜の婦人アパレル産業を取り上げ、企業ネットワークの観点から各地の分析を行い、優位性の要因として、「商人的リンケージ企業」という新しい概念を提示する。
繊維・アパレル産業だけでなく電機産業も、グローバルな競争の中で同様の傾向をたどっており、今後、これらの産業に限らない、幅広い日本の製造業が、その優位性を維持していくにあたり有益な示唆を提示する。
田中 英式[タナカ ヒデノリ]
著・文・その他
内容説明
なぜある企業群は優位性を維持し、ある企業群は衰退するのか。その成功を左右する要因「商人的リンケージ企業」の存在と役割を明らかにした実証研究。
目次
産業集積論の系譜と本書の分析枠組み
1 岡山ジーンズ産業集積内ネットワーク(メカニズム;ダイナミズム(集積形成の契機;集積内ネットワークの形成・発展とソーシャル・キャピタル;新製品導入型の集積発展;おわりに))
2 今治タオル産業集積内ネットワーク(メカニズム;ダイナミズム(集積内ネットワークの形成と発展;環境変化への対応とセンスメーキング))
3 岐阜婦人アパレル産業集積内ネットワーク(メカニズム;ダイナミズム(岐阜アパレル産業集積の歴史に関する資料・既存研究;集積内生産ネットワークの形成・変容プロセス;集積内ネットワークの形成要因;おわりに))
結論:商人的リンケージ企業の存在の重要性
著者等紹介
田中英式[タナカヒデノリ]
愛知大学経営学部経営学科教授。1972年生まれ。1996年関西大学法学部卒業。2001年名古屋大学大学院国際開発研究科博士後期課程単位取得退学後、愛知大学経営学部経営学科専任講師。2014年より現職。2011年、「産業集積内ネットワークのメカニズム―岡山ジーンズ産業集積のケース」(『組織科学』Vol.43 No.4、2010年)で第27回組織学会高宮賞(論文部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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