出版社内容情報
肥沃の三日月地帯、文明の揺籃の地、三大一神教の聖地とよばれるこの地域の地理的空間の特質をその歴史とともに考える。地政学でみる肥沃の三日月地帯
著者は、「近東」を地政学の中心に位置づける。中東のなかでも中心的部分でありながら、紛争と緊張の舞台となったその地域を、改めて全体とは区別している。そこでは局地的な立役者たちの構想に、相反する構想がぶつかりあう。複雑な展望のなかで、一方では地域的な狙いから世界的規模の戦略的目標をもち、他方では社会、文化、宗教において極度に対立的で個性的な信念や観念を抱きながら、それらの展望を組み合わせる。
本書の第一部では、そうしたさまざまな展望を分析する。展望の多様性、非妥協的な外面、そこから生まれる力関係と紛争。それらは上古の時代から現代にいたるまでにつくりあげられた物質的かつ観念的構造において見出されるのである。これらについては第二部で検討していく。
アレクサンドル・ドゥフェ[ドゥフェ]
イスラエル駐在フランス大使館文化・科学・技術協力部顧問、テルアビブの在フランス学院院長を経て、現在、高等師範学校(ENS)戦略地政学センター教授。著書に『近東を理解するために』(Gu?na-Barley)、『地政学』(Que sais-je ?、いずれも未邦訳)がある。
幸田 礼雅[コウダ ノリマサ]
1939年生まれ。1966年東京大学仏文科卒業。主要訳書にR・エスコリエ『ドーミエとその世界』(美術出版社)、 A・フェルミジエ『ロートレック』(美術公論社)、ヘンリー・H・ハート『ヴェネツィアの冒険家』(新評論)、C・カプレール『中世の妖怪、悪魔、奇跡』(新評論)、ジャン=ロベール・ピット『ワインの世界史』(原書房)、T・ランツ『ナポレオン三世』、G・ミノワ『ガリレオ』、P・ギショネ『イタリアの統一』、J・ユレ『シチリアの歴史』、J.-J.マッフル『ペリクレスの世紀』、J.-J.ベッケール『第一次世界大戦』、J・テュラール『クレタ島』(以上、白水社文庫クセジュ)などがある。
内容説明
本書は、中東のなかでも中心的部分であり、紛争と緊張の舞台となってきた地域―近東をとりあげる。第一部では、近東とその地域をとりまく大国の展望を分析し、第二部では、それぞれの展望から生まれる力関係と紛争について検討する。歴史・地理・宗教・社会・政治、どの側面からみても複雑なこの地域の紛争の解説を、地政学という観点から試みる。
目次
第1部 展望過剰の空間(局地的な立役者たち(イスラエル、パレスチナ、近隣のアラブ諸国)
大国ならびに超大国の展望)
第2部 政治過剰の空間(近東空間の政治構造理論;政治的・経済的、社会的緊張と民族の憤激)
結論
著者等紹介
ドゥフェ,アレクサンドル[ドゥフェ,アレクサンドル] [Defay,Alexandre]
イスラエル駐在フランス大使館文化・科学・技術協力部顧問、テルアビブの在フランス学院院長を経て、高等師範学校(ENS)戦略地政学センター教授
幸田礼雅[コウダノリマサ]
1939年生まれ。1966年東京大学仏文科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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