内容説明
二つのヴァイオリンとヴィオラ、チェロによる弦楽四重奏は、室内楽曲のなかでも最も純粋な音楽形式である。本書は、十六世紀のその起源から説き起こし、今日までの歴史と、弦楽四重奏団の特質を紹介する。ボッケリーニ、ハイドン、モーツァルトからバルトーク、シェーンベルクまで、豊富な譜例とともに解説。
目次
第1章 弦楽四重奏曲の起源から、十八世紀の終わりまで(四重奏曲の起源と初期の四重奏曲;ボッケリーニ ほか)
第2章 十九世紀(ベートーヴェン;ベートーヴェンと同時代の作曲家たち ほか)
第3章 現代(第一期―一八七五年~一九一九年;第二期―一九二〇年~一九六〇年)
結論
著者等紹介
山本省[ヤマモトサトル]
1946年生まれ。1977年京都大学大学院文学研究科博士課程中退。フランス文学専攻。信州大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
植岡藍
4
弦楽四重奏という視点で音楽史を概観し、その発展や独創に思いをいたす。馴染みのある作曲家についてはそうだそうだ!と強くうなずきながら読み、馴染みのない作曲家はこれから聴いてみたくなった。2020/09/30
うな坊
2
学術的側面から弦楽四重奏を述べた本。わかりやすい。著者はチェロを弾くのだそうで、そのせいか、チェロびいきの記述もあるようだ。「結論」に述べられていた、「弦楽四重奏団のメンバーになるということは(中略)ほとんど「修道女になること」に等しい」というコメントが印象的。『クヮルテットのたのしみ』が復刊しないかな。2010/03/18
おわり
1
弦楽四重奏について楽譜を交えながら歴史を振り返る本 ハイドンやモーツァルトといったメジャーどころがメインだがマイナーどころも抑えるところは抑えているといった印象 楽典的な知識がついたらもう一度読み直したい2017/09/30
とす
1
弦楽四重奏をほとんど知らなかったので勉強のために手に取ったが、とんでもなく難解でほとんど理解できなかった。作曲者名だけは分かっていたから読み進められたがかなり苦労した。既に聞き込んでいる人が読むべきものな気がした。2017/04/21
ri4ee
1
西洋音楽史における弦楽四重奏(を中心とする室内楽曲)の変遷がコンパクトにまとまっている。原著は1986年に刊行されたもので、ブーレーズ、ベリオ、ペンデレツキまで作品名が記載されてはいるものの、前衛以前の世代までが記述範囲のようだ。おおむね網羅的で現在でも参考になる内容だが、ガイドブックとして読むには難しく、どちらかというと音楽専攻の学生か、準マニア向きの内容だと思う。(作品年表は役に立つ。)『クヮルテットのたのしみ』のあとで、できれば主要作品のスコア・音源も携えて読むと良さそう。2015/05/20
-
- 和書
- ガイドブック法学