内容説明
頭脳のスポーツと称されるチェスは、五世紀のインドに起源をもつ。ネット・チェスが普及した現代までの歴史をたどりつつ、社会や芸術とのつながりや、個性的なプレーヤーたちの逸話を紹介する。ラーセン対スパスキーの名局解説では、ゲームの醍醐味を味わうことができる。わかりやすい手引書。
目次
第1章 ゲームの歴史、世界の歴史(起源から19世紀まで;産業革命から1914~18年の第1次世界大戦まで;1918年からこんにちまで)
第2章 チェスの世界(ゲームのやり方;大衆的活動、プロフェッショナル・スポーツ;簡単なルールのゲーム)
第3章 チェス、世界のゲーム(チェスを通じての人間;チェスと芸術;チェスを通してみた社会)
著者等紹介
成相恭二[ナリアイキョウジ]
1937年生まれ、1960年東京大学理学部卒。東京大学理学博士。国立天文台名誉教授、明星大学教授
小倉尚子[オグラヒサコ]
1932年生まれ、1955年東京大学農学部卒。フランス在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Gamemaker_K
7
全く期待していなかったけど、意外と楽しめたかな。「フィッシャーは少年時代を無教養で過ごした。」などチェス界にたまたま存在した強豪かつ性格破綻者への記述の方が偏執的じゃないかとか言いたいところもあるけどね。…ジョンブラナーの「チェス盤の町」は、是非読んでみたい。2019/03/05
APIRU
5
チェスの世界はふしぎがいっぱい。チェスの歴史や位置づけを、政治や文化・芸術などに照らしながら掻い摘んで解説しています。内容や切り口が面白いですし、フィッシャーやアリョーヒンというよく知った名前が登場すると一層胸が高鳴ります。惜しむらくは訳文でしょうか。こちらの読解力の問題もあるかもしれませんが、それを差し引いても読み辛いし分かりにくい。誤訳もあるようです。その辺が全てを台無しにしている気もしますが、全体として展開されている内容自体は面白いです。収録されているラーセンvsスパスキーの対局はやはり白眉でした。2021/03/08
APIRU
2
チャトランガに始まり、政治・戦争・科学・工業等の変遷と合わせ、チェスがどのように現代のカタチに結実したか、面白いお話だと思います。有名プレーヤーのエピソードや対局についても興味深いですし、もう少し各プレーヤーについて知りたいという気になります。訳文については自分は、いかにも訳しましたよ的な翻訳もまぁ嫌いではないのですが、それにしたってもう少し何とかならんのかとw2016/12/03
igi_tur
0
狂気に陥ったチェスプレイヤーがそろいもそろって反ユダヤ主義者に。西洋人の妄想の典型ということかな。でもフリーメイソンはいない。2009/05/30