ナターシャの踊り―ロシア文化史〈上〉

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ナターシャの踊り―ロシア文化史〈上〉

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  • サイズ 46判/ページ数 468p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560098394
  • NDC分類 238
  • Cコード C0022

出版社内容情報

ロシア文化を主人公とした一大叙事詩

 「ロシアは頭ではわからない」――「ロシア」をめぐるイメージ=神話の典型のひとつだ。本書では、そうした「ロシア」という「神話」が生み出してきた豊饒たるロシア文化の歴史が、国家や社会を主体とするマクロな歴史を縦糸、個人の生に関わるミクロな歴史を横糸として織りなされる。文学、音楽、美術、演劇、バレエといった大文字の文化のみならず、宮廷の様子や農村の習慣、食や入浴文化、フォークロアまで、ロシア史のさまざまな局面における日常生活を垣間見られるのも本書の魅力だ。
 本書が射程に入れるのは、1703年のピョートル大帝による新都建設から、1962年のストラヴィンスキーの亡命先からの一時帰還という250年を超える時間であり、さらに亡命ロシア人社会にもその筆は及んでいるため、膨大な時空間にわたる「ロシア文化」を読者は旅することになる。「ロシア文化」において「ロシア」という「神話」がいかに大きな問題として底流にあったのか、また逆に「ロシア」という「神話」を支えるのにいかに「文化」が重要な役割を担ったのかを、本書で描かれる人物たちを追体験しながら感得することになるだろう。

内容説明

『戦争と平和』の貴族の令嬢ナターシャは、なぜ農民の踊りを踊れてしまうのか―パトスに満ちたエピソードの数々で彩られた「ロシア文化」をめぐる250年。文学、音楽、美術、演劇、バレエから食や入浴文化まで、英国の歴史家によって縦横に語られる、「ロシア文化」を主人公とした一大叙事詩。

目次

第1章 ヨーロピアン・ロシア(帝都サンクトペテルブルクの誕生;シェレメーチェフ家の栄華 ほか)
第2章 一八一二年の申し子たち(対ナポレオン戦争と国民統合の夢;デカブリストの蜂起と流刑 ほか)
第3章 モスクワへ!モスクワへ!(「大きな村」;ロシア文学のなかのペテルブルク神話 ほか)
第4章 農民の婚礼(「民衆のなかへ!」;スターソフと三人の芸術家 ほか)

著者等紹介

ファイジズ,オーランドー[ファイジズ,オーランドー] [Figes,Orlando]
1959年ロンドン生まれ。ロシア史研究者。ロンドン大学バークベック・カレッジ教授

鳥山祐介[トリヤマユウスケ]
1974年、東京都生まれ。東京外国語大学外国語学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。ロシア国立人文大学大学院修了(Ph.D.)。千葉大学文学部准教授を経て、東京大学大学院総合文化研究科准教授。専門は18‐19世紀ロシア文学、文化史。NHKラジオ「まいにちロシア語」応用編講師(2016年度後期、2019年度前期)

巽由樹子[タツミユキコ]
1978年、神奈川県生まれ。東京大学文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授。専門はロシア文化史

中野幸男[ナカノユキオ]
1977年、福岡県生まれ。東京外国語大学外国語学部卒業。モスクワ大学大学院修了(Ph.D.)。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、同志社大学グローバル地域文化学部助教。専門は亡命ロシア文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

71
ロシアという語から想像するロシア的なもの、それがどのように発見、創造されたのかを追う本。ピョートル大帝の欧化政策から、ロシアはペテルブルク(西欧)とモスクワ(過去のロシア)に象徴される二面性を抱えることになったこと、ナポレオンの侵攻を機に国民意識が高まり、ロシア的な様式や芸術が求められたことなどが文学や芸術と絡めて描かれます。一面でそれは、ムソルグスキーらの「ロシア的」な和声法が「完全な創作物」だったように再構築されたものでもあって、ロシアに限らず民族とは、文化とは何かを再考する機会にもなるよう。下巻へ。2022/03/22

ヘラジカ

54
ロシアというあまりに巨大な国を形作る無数の文化。その構造や発展の歴史を、国内外の事象によって複雑に変化する精神性などから明快に解説している。上巻を読み終えただけで途轍もない満足度。ロシア文学に馴染みがある人には非常に興味深い書ではないだろうか。気軽に読み飛ばしていた『戦争と平和』のあのシーンにこんなバックグラウンドがあったとは。下巻へ。2021/08/08

松本直哉

22
西欧に憧れるペテルブルクと、古き良きロシアに向いたモスクワとの対比が興味深い。どちらを欠いても今のロシアはなかっただろう。しかし1812年のナポレオン侵攻や1825年のデカブリストの乱などを契機として、前者から後者に重心が移動したことで、ロシア人は自らの内なる民衆性あるいは土壌性に目覚めることになる。ストラヴィンスキーがグースリを奏でながら民謡を歌う農民の横でその歌を熱心に楽譜に書き留める写真、傍らには彼の母が彼の子を抱いている、巻末にあるこの一枚の写真が、ロシアの近代を如実に物語っているように思えた。2022/09/04

eirianda

7
ロシアがヨーロッパに憧れ真似して追いつかず、ふと自分らしく振舞うことに目覚め、貴族が農民を持ち上げたり神聖化したりして、文化に土着のフォークロアを取り入れたりナショナリズム化するあたり、西欧の後を追ってきた国として日本も似たようなところあるよなぁ。ヨーロッパがこれだけ長持ちするのは科学的思考を発展させたからだとハラリが書いていたのも納得。西欧が全てすばらしいとは言えないが、ロシアも日本も国民の思考回路が洗練しきれない悲しさ。もちろん自分も含めて。2022/07/23

人生ゴルディアス

7
ロシア文化史と銘打たれているが、キエフ・ルーシとかモスクワ公国からではなく、1700年にピョートルがペテルブルクを作ったところから話が始まる。ペテルブルクは完全に人工的な都市で、しかもひどい沼地だから砂利石を文字どおりに積み上げて作られたベネツィアのような都市だったという話に驚き。フランスかぶれが行き過ぎていてロシア語を話せないロシア貴族たちと、ナポレオン戦争からの自国アイデンティティの確立。農民という得体のしれない国家の担い手たちと文化の担い手である貴族たちの関係等、文化・文明の話がねちっこく続く。良い2021/12/01

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