出版社内容情報
『ロビンソン・クルーソー』とハイデガーの精読により、土葬と火葬の二項対立を脱構築し、動物と人間が共住する世界の「支配」を問う「脱構築」の到達点!
『獣と主権者?』において多岐にわたった主要参照先が、最終講義録である本書においては二つに絞られる。ダニエル・デフォーと、ハイデガーである(ルソー、マルクス、ジョイス、ウルフ、ドゥルーズ、レヴィナス、ラカン、ヘーゲル、パスカル、カントなども引用はされる)。ハイデガーからは「石は世界をもたない」「動物は世界貧乏的である」「人間は世界形成的である」という命題が提起され、デリダはこの命題を導きの糸とすることで自然の概念を再検討し、人間に固有な主権の概念を問い直してゆく──。そして、最終講義においては、地球規模で展開される対テロ戦争の現実を踏まえて、ツェランの詩句「世界は消え去っている、私は君を担わなければならない」が解釈され、その事実確認的命題と行為遂行的な命題の結びつきのなかに、消え去ろうとする世界への共存が示唆される。
生き埋めにされるという幻像から『ロビンソン・クルーソー』を読み解き、土葬と火葬という「喪の作業」の二項対立を考察し、ハイデガーとともに、動物と人間が共住する世界の「支配」を問う! 著者晩年の脱構築的思索の白眉。
ジャック・デリダ[デリダ]
1930?2004年。アルジェリア生まれ。フランスの哲学者。著書に「エクリチュールと差異」など。
西山 雄二[ニシヤマ ユウジ]
亀井 大輔[カメイ ダイスケ]
荒金 直人[アラカネ ナオト]
佐藤 嘉幸[サトウ ヨシユキ]
内容説明
世界は存在せず、ただ島々だけが存在する。生き埋めにされるという幻像から『ロビンソン・クルーソー』を読み解き、土葬と火葬という「喪の作業」の二項対立を考察し、ハイデガーとともに、動物と人間が共住する世界の「支配」を問う!最終講義を収録した、著者晩年の脱構築的思索の白眉。
目次
第1回 2002年12月11日
第2回 2002年12月18日
第3回 2003年1月22日
第4回 2003年1月29日
第5回 2003年2月5日
第6回 2003年2月12日
第7回 2003年2月26日
第8回 2003年3月5日
第9回 2003年3月12日
第10回 2003年3月26日
著者等紹介
西山雄二[ニシヤマユウジ]
1971年生まれ。首都大学東京人文科学研究科准教授。一橋大学言語社会研究科博士課程修了。東京大学特任講師を経て現職。フランス思想専攻
亀井大輔[カメイダイスケ]
1973年生まれ。立命館大学文学部准教授。立命館大学大学院文学研究科西洋哲学専攻博士後期課程修了。哲学専攻
荒金直人[アラカネナオト]
1969年生まれ。慶應義塾大学理工学部准教授。2003年、ニース・ソフィア・アンティポリス大学(フランス)文学・芸術・人文科学部哲学専攻博士課程修了、博士号(哲学)取得。哲学専攻
佐藤嘉幸[サトウヨシユキ]
1971年生まれ。筑波大学人文社会系准教授。パリ第10大学博士号(哲学)取得。哲学/思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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かんちゃん