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房思〓(ファンスーチー)の初恋の楽園

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  • サイズ 46判/ページ数 272p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784560097007
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C0097

出版社内容情報

台湾社会を震撼させた、実話に基づく傑作

 著者は1991年生まれの女性作家。デビュー作である本書に「実話を基にした小説である」と記したことから、著者の実体験なのではと大騒ぎとなった。刊行2か月後に著者が自殺。台湾社会を激震させた。
 文学好きな房思琪と劉怡?は高雄の高級マンションに暮らす幼なじみ。美しい房思琪は、13歳のとき、下の階に住む憧れの50代の国語教師に作文を見てあげると誘われ、部屋に行くと強姦される。そして異常な愛を強いられる関係が続くことになってしまう。房思琪の心身はしだいに壊れていく。劉怡?は、房思琪が記した日記を見つけ、5年に及ぶ愛と苦しみの日々の全貌を知る……。
 一方、同じマンションの最上階の裕福な家庭に嫁いだ20代の女性・伊紋の物語も同時に描かれる。伊紋は少女2人によく本を読んであげていた。だが実は夫からのDVに悩み、少女らに文学を語ることが救いとなっていたのだ。
 人も羨む高級マンションの住民たちの実情を少女の純粋で繊細な感性によって捉えることで、社会全体の構造的な問題が浮かび上がってくる。過度な学歴社会、格差社会、権力主義の背後にある大人の偽善、隠蔽体質……。なぜ少女の心の声を大人が気づけなかったのか。文学の力とは何か。多くの問いを投げかける。

内容説明

台湾・高雄の高級マンションに住む13歳の文学好きな美少女・房思〓(ファンスーチー)は下の階に住む憧れの50代の国語教師に作文を見せに行き強姦され、その関係から抜け出せなくなる…世界の裏側を見てしまった少女のもう一つの愛の物語。台湾社会を震撼させた、実話に基づく傑作長篇。

著者等紹介

林奕含[リンイーハン]
1991年3月16日~2017年4月27日。台湾・台南で名の知られた皮膚科医の娘として生まれ、幼少期から作文や数学で優秀な成績を収め、学内外で多くの表彰を受ける。高校二年のときにうつ病を患う。2009年、台北医学大学医学部に入学するが、二週間で休学。その後、三度の自殺未遂。2012年に国立政治大学文学部中国文学科に入学、三年生のときに再び休学。2017年2月初めに、デビュー作であり唯一の著作である『房思〓の初恋の楽園』を出版。その二か月後に自殺

泉京鹿[イズミキョウカ]
1971年、東京生まれ。フェリス女学院大学文学部日本文学科卒業。北京大学留学、博報堂北京事務所を経てライター、メディアコーディネーター、翻訳者として16年間北京で暮らす。大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

torami

39
あらすじを読んだ上で覚悟できた人以外は、読まない方がいい。想像するよりさらにきついだろうから。 作者は「これは実話をもとにした小説です」と話し、刊行の2か月後に自ら命を絶った。そして、作外には多くの謎が残されてしまった。 決して出歯亀的な好奇心ではなく、読んでしまった以上は彼女の遺志について考えなければならないと思わされる。フィクションではなく現実に存在する苦しみについても、だ。 読んで閉じればおしまいの小説ではない。ある種の呪いが込められた本だと思う。2019/12/04

星落秋風五丈原

31
事実だと宣言して作家が亡くなるまでが物語のような気がする。こういうことは台湾でもあるのか。犯人許せん。2019/12/02

ミーナ

20
おすすめされた本はたいがい読むことにしているが、これは読まなければよかったと後悔している。性格の悪い男とつきあってしまった経験のある女性は忘れたい過去をどうしても思い出してしまう。物語のはじめの思琪の年頃の子供が、今後の教訓として読む分にもきつすぎる。程度の差はあるが、李のような男はたくさん存在する。記憶からなくしたい2020/09/27

DEE

18
初恋の文字を見て、なぜ自分がこのような甘い匂いのする本を借りたのか失念していたが、読み終えて訳者あとがきで思い出した。著者はこれを描き終えた後に自ら命を絶った。享年26。 そしてこれは実話に基づいた話であること。 カリスマ塾講師でありながら、ロリコンの強姦魔は何人もの教え子を言葉巧みに手にかけていく。ファンスーチーもその一人。でも告発がテーマではなく、強姦魔を愛した少女の話だそうだ。重いしキツい内容だけど、この本が台湾で性暴力に対して声を上げる運動に繋がったことが救いか。2019/12/06

ori

17
「『実話をもとにした小説』と書いたのは読者に心の準備をして欲しかったから」「読み終わってかすかな希望を感じられたら、それはあなたの読み違いだと思うので、もう一度読み返した方がいいでしょう」 本作がデビュー作であり遺作である作家本人の言葉通り、救いがなくやり切れない。未成年の少女達に性的加害とグルーミングを行う塾の教師は罪に問われない。少女は心を壊してしまうが男は純粋な愛とすら思っている気持ち悪さ。地獄を描きながらも作家の言葉のセンスの良さ、視点、聡明さはたまらない魅力。この感性での他の作品も読みたかった2024/03/17

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