出版社内容情報
日本の演劇を塗り替えた劇作家の半生
日本のベケットとも称賛され、はじめてわが国の不条理演劇を確立、発展させてきた偉大な劇作家の半生を、日本経済新聞編集委員である著者が、7年間にわたるロングインタビューや周辺取材をもとに、畏敬の念を込めて書き下ろした力作評伝。
別役実は満洲で生まれ、敗戦とともに実家のある高知へと引き揚げてきた。別役作品の多くに登場する電信柱とベンチ、そこに吹く風は、少年時代の原風景といってもいい。
評伝の魅力の一つが縁戚関係を辿ることにあるという点では、別役家と寺田寅彦や安岡章太郎が遠縁にあたるのも、文学好きには興味深いところ。
父を満洲で失った家族はその後、母方の実家を頼って静岡県清水市に移住。小学校の1年下には、のちに早稲田小劇場をともに創立する演出家の鈴木忠志がいたが、二人に面識はなかったという。
家族の移動はさらに続き、長野を経て東京へ。別役実は大学時代に演劇の魅力に開眼、以後孤高の道を歩み続けてきた。著者は豊富なエピソードを紹介しながら、演劇のみならず、童話や歌詞、エッセイなども含め、別役実の全身像に迫る。付録の全作品解説は、貴重な資料。
内田 洋一[ウチダ ヨウイチ]
著・文・その他
内容説明
日本のベケットと称賛され、新たな現代劇を構築した劇作家の半生を、ロングインタビューを交え、膨大な取材から描く。
目次
第1章 風の演劇
第2章 満洲に生まれて
第3章 引揚者家族
第4章 政治の季節
第5章 不条理劇発見
第6章 言葉の戦術
第7章 童話のように
第8章 喜劇の精神
第9章 死を笑う
著者等紹介
内田洋一[ウチダヨウイチ]
1960年東京生まれ。83年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、日本経済新聞社入社。84年から文化部で舞台芸術を中心に美術、音楽などを幅広く取材、2004年から編集委員。編著書『日本の演劇人 野田秀樹』(白水社)でAICT演劇評論賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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