出版社内容情報
アップダイクを「読まずに語る」!
『中二階』、『室温』、『もしもし』など、独特の緻密でマニアックな作風で知られる著者が、大作家ジョン・アップダイクへの思いを語った自伝的エッセイ/ノンフィクション。
1989年夏、かつて教わった作家ドナルド・バーセルミの訃報に接し、落ち込んだ著者は『ニューヨーカー』誌に追悼文を送ろうとする。だがアップダイクがナボコフのために書いた追悼文よりもいいものを書こうとして挫折。敬愛するアップダイクが亡くなったときに同じことになっては立ち直れないと思い、彼についてのエッセイを書くことを思いつく。存命で人気のある大御所について書くことに怖気づきながら『アトランティック』誌に提案すると、編集者が乗り気になる。
そもそも著者が文学の道を歩むことになったのは、19歳のとき母親が新聞に載ったアップダイクのエッセイを読んで大笑いするのを見たのがきっかけだった。アップダイクの著作の半分も読んでいないにもかかわらず、それを開き直るかのように「記憶批評」、「読まず語り」など自ら編み出した技法を駆使しながら、アップダイクに対する矛盾に満ちた感情を研究し、緻密なまでに描写する。「読者」と「書物」の奇妙で切実な関係を浮き彫りにする一冊。
ニコルソン・ベイカー[ベイカー]
著・文・その他
有好 宏文[アリヨシ ヒロフミ]
翻訳
内容説明
憧れの大作家への尊敬、嫉妬、畏怖、不安…「読まず語り」、「記憶批評」など、自ら編み出した技法を駆使しつつ、アップダイクへの矛盾に満ちた感情を研究し、緻密なまでに描写する。“読者”と“作家”/“読者”と“作品”のどこまでも奇妙で切実な関係。
著者等紹介
ベイカー,ニコルソン[ベイカー,ニコルソン] [Baker,Nicholson]
1957年ニューヨーク州生まれ。イーストマン音楽学校、ハヴァフォード大学で学ぶ。1988年、『中二階』(岸本佐知子訳、白水社刊)でデビュー。2001年、ノンフィクション作品Double Fold:Libraries and the Assault on Paperで全米批評家協会賞を受賞
有好宏文[アリヨシヒロフミ]
1987年生まれ。北海道旭川市出身。京都大学文学部卒。全国紙記者職を経て、2017年早稲田大学文学研究科修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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