出版社内容情報
果てしない分業と専門分化が進行する現代社会において、科学はいかなる相貌を帯びて現れるか? 基本図書を瑞々しい新訳で!
【著者紹介】
1798~1857年。フランスの社会学者、哲学者、数学者。著書に「実証哲学講義」など。社会学の創始者。コント・コレクションはコント自身が晩年にセレクトした社会哲学論集である。
内容説明
果てしない専門分化が進行する現代社会において、科学はいかなる相貌で現れるのか?「分業」を核とする政治経済学を批判することで辿り着いた「精神的権力論」ほか、本邦初訳の論考を収録!
目次
科学と科学者の哲学的考察
精神的権力論
ブルセ「興奮論」の検討
著者等紹介
コント,オーギュスト[コント,オーギュスト] [Comte,Auguste]
1798‐1857。南仏モンペリエ生まれ。パリの理工科学校に学び、1817年から師サン=シモンの協力者となる。その間に、いわゆる「三状態の法則」を発表。1824年に師と決別後は、妻の出奔、自殺未遂事件など私生活では恵まれず、J・S・ミルらの財政支援を受けながら一生を在野で過ごした
杉本隆司[スギモトタカシ]
1972年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。ナンシー第二大学DEA課程修了。現在、一橋大学大学院社会学研究科特別研究員。ド・ブロス『フェティシュ諸神の崇拝』(法政大学出版局)を翻訳して日仏社会学会奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぽてと
2
清水幾太郎の著作を読んだのが本書を読もうと思った理由だが、それ以前に科学や技術は人間から遠のき、超自然的とさえ言える場所にまで到達しそうな勢いであると感じており、コントの問題意識から何かを得られるのではないかとは思っていた。本書の論点と自分の関心は違ったが、知れたことはある。今日コントが読まれない理由の一つにはハイエクの批判があるだろう。彼はコントを共産主義の起源として、『科学による反革命』などで批判したが、少し誤りがある。コントはデカルトやコンドルセと違い、理性が万能だとは信じていなかったのだ。2016/06/17