出版社内容情報
19世紀の「世界大戦」の全貌を初めてまとめた戦史。露・英・仏・トルコの地政学と文化から戦闘まで活写した決定版。解説:土屋好古
内容説明
歴史の巨大な転換点としての再評価、現在にまで及ぶ影響を考察する。19世紀の「世界大戦」の全貌を初めてまとめた戦史。兵卒の痛ましい境遇から、ナイチンゲールの献身、新聞と世論の形成、セヴァストポリ要塞の11ヵ月の攻防戦、戦後の混乱と新秩序まで、肉声を活かして精彩に描く決定版!
目次
第9章 冬将軍
第10章 大砲の餌食
第11章 セヴァストポリ陥落
第12章 パリ和平会議と戦後の新秩序
エピローグ クリミア戦争の伝説と記憶
著者等紹介
ファイジズ,オーランドー[ファイジズ,オーランドー] [Figes,Orlando]
英国の歴史家。ロシア・ソ連史研究の第一人者として高い評価を得ている
染谷徹[ソメヤトオル]
1940年生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒。ロシア政治史専攻。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイトKATE
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クリミア戦争が歴史上初の世界大戦であると著者は書いている。根拠として、ロシア対イギリス、フランス、オスマン・トルコ連合国軍が大規模な軍隊を動員して衝突したこと。近代兵器が使用され塹壕戦が行われた。新聞が次々と戦況を報道したことで世論が誕生した。何よりも、クリミア戦争後の世界情勢が後の第一次世界大戦へと繋がっていったことである。本書を読んでいると各国の欠点が見えてくるが、特にロシアは深刻である。自国の失敗を相手国に責任転嫁して、自己改革が進んでいないからである。プーチンを見ているとロシアの問題は根深い。2024/03/31