出版社内容情報
「女子は理系が苦手、男子は文系が苦手」「男子は青系が好き、女子はピンク系が好き」って誰が決めたのでしょう? 10代が直面するジェンダーの問題を、過去・今、そして未来に向けて考察します。自分らしさとは何か、バイアスとは何かを自分ゴトとして考えた先に、多様性を認め合う社会をつくるヒントが見えてきます。
内容説明
「女子は理系が苦手、男子は文系が苦手」「男子は青系が好き、女子はピンク系が好き」って誰が決めたのでしょう?10代が直面するジェンダーの問題を、過去・現在、そして未来に向けて考察します。自分らしさとは何か、バイアスとは何かを自分ゴトとして考えた先に、多様性を認め合う社会をつくるヒントが見えてきます。
目次
1 ジェンダーってなんだ?
2 つくられる「女の子」「男の子」
3 ジェンダー化の装置=学校?
4 他者のまなざしの中の自分
5 大人になっていく過程で出会うジェンダー
6 ライフキャリアの実現に必要なこと
著者等紹介
堀内かおる[ホリウチカオル]
1963年生まれ。横浜国立大学教育学部教授。専門は家庭科教育学、ジェンダーと教育。「自立」のための教科である家庭科の可能性を確信し、教員養成と家庭科に対する意識啓発に尽力。最近の関心は、中学・高校生に対する出前の模擬講義(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まる子
23
昭和に生まれた人にしてみると、これまで生きてきた環境で男女の区別は当然あった。平成生まれでもそう変わらないのではないかな?ここ数年て学校では男女ともに「◯◯さん」と呼び、学級名簿も男女混合が普通になってきた。男性と女性、それぞれその性でしかできない事はあるけれど、学び、進学、就職、結婚、とこれから経験するだろう自分たちを、同調圧力という名の空気に時に抗いながら、10代から問いをみつけ、考えて行動できる未来を創ってほしい。昨年の新聞にもあった日本のジェンダーギャップ指数が下から数えた方が早い現実もある。2024/05/04
katoyann
18
中高生を主な読者対象として、ジェンダーとセクシュアリティについて分かりやすく解説した入門書。大学の医学部における不正入試や理工系に進学する女性の少なさなど教育機械に関する不平等から結婚の現実まで幅広く論じられている。ステレオタイプ脅威というキーワードで、女性が理数科目に対する学習意欲をなくしたり、働く意欲を削がれたりする要因が分析されており、基礎知識の把握にうってつけである。また、結婚の実態に家制度の残滓が見え隠れするという問題も指摘されていて、クリティカルな本でもある。2024/02/18
kirinsantoasobo
14
図書館本。これを読んでジェンダーという言葉の認識が一部しか出来ていなかったことに気付きました。そもそも、子供の頃から男の子は女の子はというイメージを植え付けられていることに違和感がないことが問題なんだと知りました。男女平等という言葉で議論するのもおかしいような気もしてきます。経済を支えるのも子育てをするのも守られるべきものも、男女関係なく人はすべて平等だということですよね。こどもの頃から男女の区別をして話したり制限したりしないように、大人が変わっていかなければいけないのだと感じました。2024/03/09
ochatomo
12
フラワーデモとしての読書会課題本 1975年の国際女性年からジェンダーが注目されるようになった 社会の中で当たり前とみなされている性別にかかわる決まりごとは、大人も一緒に考える必要があり、気づくために事例や研究だけでなく映画やコミックも紹介されてわかりやすいと思った 何より18歳成年の意味として、高校卒業後の進路について親ではなく本人の意志が通じる効用がわかった 2023刊2024/05/22
みさと
8
法律上は男女平等である学校が、実はジェンダー・バイアスを内面化させる場所だと気づいているだろうか。男女二分法に基づいた集団分け、制服、役割分担、教科指導、進路指導が今なお行われているとしたら、知らず知らずのうちにジェンダー化された価値観が「普通」となってしまう。性別役割分担を「常識」とする周囲からのまなざしに晒されて、空気を読んで望まれる態度をとり続けていないか。十代が直面するジェンダーの問題を過去・現在そして未来に向けて考える。自分らしさとは何?バイアスとは何?自分ゴトとして考えるきっかけを投げかかる。2024/02/20