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出版社内容情報
静かな怒りと哀しみ、リアリズムとファンタジーが混淆した作風で現代スコットランド文学を代表する鬼才の短篇集。批判とひねりが効いた遊び、自筆挿画を満載。心に響く14話。
内容説明
「わたしは目が覚めた。そしてそれが夢だったことを知った、すべてが、というわけではないが」『ラナーク』『哀れなるものたち』で知られるスコットランドの伝説的鬼才の短篇集、待望の復刊!ファンタジーとリアリズム、笑いと哀しみ、アイロニーとウィットが混淆する饒舌な物語。作家の手になるイラストも満載。
著者等紹介
グレイ,アラスター[グレイ,アラスター] [Gray,Alasdair]
1934年、スコットランドのグラスゴー生まれ。アントニー・バージェスに「巨大で独創的な小説」と賞賛された長篇第一作『ラナーク 四巻からなる伝記』(81、邦訳は国書刊行会刊)でブッカー賞の有力候補に推されて一躍注目を集め、以後スコットランド文学活況の先鋒に立つ。1992年、『哀れなるものたち』(邦訳は早川書房刊)でホイットブレッド賞、ガーディアン賞を受賞。2019年没
高橋和久[タカハシカズヒサ]
英文学者。1950年東京都生まれ。京都大学文学部卒業。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maimai
10
いやいやおもしろい。話はどれも、思わぬ始まり方をして、思わぬ方向に進んでいく。あれあれ、と思っていると(大体は)思わぬ角度からきれい(?)に着地する。軽妙でしかし猥雑で、ふざけていてしかし大真面目かもしれない、不思議な読み味。「どんなヘンテコな切り口でも書けるよ、これも。ほら、これも」という作者の声が聞こえてくるようだ。もっとこの作家の本が読みたい。2024/05/30
ようよう
3
憐れなるものたち 映画が楽しかったので、本書をデザートとしておかわり。なんかイラストとか独特。2024/07/02
たつみ
0
悪夢のような白昼夢のような短編が続く。特に「あなた、レズビアンですか?」は女三界に家なしをごく短い一編のうちに余すところなく描く。最後の短編は、唯一しみじみ読めたが、これは実質的に『ラナーク』の後書きではないだろうか2025/04/04
biwacovic
0
「ほら話」こそが「ほんとうの話」じゃないかという、というまさに(僕が考える意味での)正統なSF作家だと思う。現実へのちょっとした違和感、誇張しすぎた現代社会の描写、皮肉に満ちた人間たちの行動。・・・本を読む楽しみとはこれだ、と思う。現実に立脚しつつ、異化して我々の目の前に提示する。ほんの十ほど、と言いながら、はるかに多くの短編が入ってるのもほら吹きで素晴らしい。2024/07/13