出版社内容情報
名翻訳家/エッセイストが贈る、抱腹絶倒、奇想天外、虚実の境をまたぎ越すエッセイ集。単行本未収録、四半世紀分のキシモトワールド。
内容説明
抱腹絶倒、奇想天外、虚実の境をまたぎ越すエッセイのほか、書評の意味を崩壊させた伝説の朝日新聞連載「ベストセラー快読」、ウェブ日記「実録・気になる部分」も収録。四半世紀分のキシモトワールド!
目次
1 わからない(カルピスのモロモロ;アシブト、アシボソ;わからない ほか)
2 本と人(もう一度読んでみた;ベストセラー快読;書評 ほか)
3 日記 二〇〇〇年~二〇〇八年(実録・気になる部分;翻訳グルグル日記;カブトムシ日記;おおむね読書日記)
著者等紹介
岸本佐知子[キシモトサチコ]
上智大学文学部英文学科卒。翻訳家。著書に『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
102
岸本佐和子はルシア・ベルリンの翻訳を読んで以来、信頼のおける翻訳家として注目してます。そんな彼女のエッセイは変にひねくれていて、毒気のあるユーモアがあって中毒性があります。表紙の絵は、MOMAで開かれた展覧会で見たブラジルの女性画家の「眠り」という作品で、ずっと頭から離れなかったらしい。2000年から最近のものまで収録されているので、雑駁な印象だが、やっぱり翻訳家だけに「翻訳小説食わず嫌いにとりあえずお勧めしたい何冊か」は参考にさせていただきます。Ⅲの日記はおまけの様ですが、偽日記ではないでしょうねぇ。2024/07/17
ネギっ子gen
102
【見本刷り出来。嬉しい。装丁も気に入った。でもなぜかそのあと落ち込む。自分で自分がわからない】名翻訳家のエッセイ集。日記より。<夕方、気晴らしの必要を感じて新宿を徘徊。紀伊国屋地下の石屋で匂玉を買うなど、無意味な行為をする。化石コーナーで気になったのは“マンモスの毛”。ほにゃほにゃの柔らかい毛ひとちぎりに剛毛一本つきで千五百円、は高いのか安いのか。平積みになっていた文庫本のタイトル、『好き嫌いで決めろ!』。本当にその通りだと思う。たぶんこの本にはタイトル以上のことは書いていない>と。370頁の神推し本!⇒2024/07/11
どんぐり
93
回転寿司、ブータン、YRP野比、お台場に行ったことがないという岸本佐知子の最新エッセイ。本に関すること、メモ書きの日記が大半を占める。〈ベストセラー本快読〉には、タイトルを見るだけでも読む気力を失せる本が並ぶ。パンツやスカートを買うと、それに合う服がないと嘆き、服を買うと今度はそれに合わせる靴とバッグがないまま季節が終わっていく買い物下手の〈福助エルメス〉と〈回転寿司〉の話が面白い。〈YRP野比〉と〈宇宙戦争〉のトム・クルーズの話は前のエッセイでも読んだことがある。翻訳家の日常と思考がみえてくる本である。2024/10/02
tetsubun1000mg
85
昨年「なんらかの事情」を読んでから、岸本佐知子さんのエッセイは5冊目になった。 なんだか中毒性をもっているようで、時々妙に読みたくなってしまう。 今回は2000年頃からのエッセイや読書感想文?になぜか日記など、期間も幅も広く分量も多いので少しずつ読んでいく。 岸本佐知子のエッセイは外出先で読むと突然吹き出したり、バカ笑いをしてしまいそうで自分の部屋で読んでいた。 岸本さんが翻訳作業に煮詰まったときに読むコテコテの日本文学本とは違って、自身の読メ記録であんなの読んだなと思い出すぐらいが丁度いいかな。2025/03/10
藤月はな(灯れ松明の火)
77
笑えるのにほろりと来るのは、この人のエッセーが内心、「この世界は生き辛い」と思っている心に寄り添ってくれるからだろう。そんな生まれ間違えたあるあるがギュッと凝縮された、岸本節を喰らえ!特にベストセラーを読んだ時の書評は捻くれているが、同じく、ベストセラーに惹かれない者にはその忖度のしなささが小気味よく、膝を打つ。後、出不精を押したのに出先の人間の機嫌が悪い、有名ブランドが時折、出すトンキワデザインや目的を決めて買い物に行ったのに今、たくさん持っているものを買ってしまって頭を抱えるなど、あるある過ぎて(笑)2025/02/20
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- 新例解簿記論 (改訂版)