出版社内容情報
「架空の国の備忘録が、日本を含む実在する国々の正統性を疑ってみよ、と蠱惑的に囁きかける。未知なる歴史の可能性に触れる戦慄と、極上の小説を読んでしまったという興奮に一挙に襲われた。」
――温又柔さん絶賛!
日本オリジナル編集によるマレーシア華人作家の最新代表作
個人の記憶の奥深くに隠されたマレーシア華人の集団の記憶とトラウマを圧倒的な想像力で描く、マラヤ共産党をめぐる24篇。
【目次】
〈サイノフォン〉シリーズ刊行に寄せて 王徳威
第一部
サーカス団が天から降ってきたとき 松浦恆雄 訳
その年私はマラヤに帰った 大東和重 訳
瓶の中の手稿・呪詛残篇 福家道信 訳
マラヤ人民共和国備忘録 福家道信 訳
森からの手紙 及川茜 訳
亡き兄を尋ねて 松浦恆雄 訳
あなたのおかけになった電話はただいま使われておりません番号をお確かめの上おかけ直しください 松浦恆雄 訳
山道 羽田朝子 訳
第二部
もし父が創作をしていたら 大東和重 訳
凄惨にして無言の口 福家道信 訳
なお扶餘を見るがごとし 福家道信 訳
マラヤ共産党を追撃中に大足出現 福家道信 訳
もしもあなたが風なら 松浦恆雄 訳
南洋人民共和国備忘録
隠遁者 大東和重 訳
最後の郷土 福家道信 訳
第三部
蟹 豊田周子 訳
父の亡くなったあの年 松浦恆雄 訳
九つの言語で書く愛の詩 白水紀子 訳
渓流のほとりにて 羽田朝子 訳
泥沼の足跡 大東和重 訳
雨が降る 白水紀子 訳
祝福 福家道信 訳
帰還 及川茜 訳
解説 黄錦樹を読む楽しさ 福家道信
訳者紹介/編者紹介
内容説明
個人の記憶の奥深くに隠されたマレーシア華人の集団の記憶とトラウマを圧倒的な想像力で描く、マラヤ共産党をめぐる24篇。
著者等紹介
黄錦樹[コウキンジュ]
1967年マレーシア・ジョホール州クルアンのゴム農園に生まれる。華文独立中学で中国語による教育を受ける。86年に台湾に渡り、台湾大学中国文学系に進学。在学中に創作を始め、89年、マラヤ共産党を題材にした短篇小説「重要文書〈大巻宗〉」で大馬旅台文賞小説首奨を受賞。卒業後、淡江大学と清華大学で中国文学の修士号と博士号を取得する。曁南国際大学中国語言文学系名誉教授。聯合文学小説新人賞、聯合報文学賞、洪醒夫小説賞、台北国際ブックフェア大賞、金鼎賞など、台湾で多数の文学賞を受賞、マレーシアで花蹤文学賞、中国で周安儀世界華文文学賞を受賞している。、馬華文学(マレーシア華文文学)の可能性を広げ、華文文学の領域に馬華文学の独特な視野を形成している
王徳威[オウトクイ]
ハーバード大学東アジア言語・文明学科、比較文学科Edward C.Henderson講座教授。台湾・中央研究院院士、アメリカ芸文&科学院(American Academy Arts&Sciences)院士。専門は中国語圏文学、比較文学理論・批評
高嘉謙[コウカケン]
台湾大学中国文学系教授。専門は中国近現代文学、マレーシア華語文学
福家道信[フケミチノブ]
大阪大学人文学研究科招へい研究員。近畿大学名誉教授。専門は中国文学、沈従文研究
黄英哲[コウエイテツ]
愛知大学現代中国学部教授。専門は台湾現代史、台湾文学、中国現代文学
及川茜[オイカワアカネ]
東京大学大学院総合文化研究科請師。専門は中国語圏文学、日中比較文学
濱田麻矢[ハマダマヤ]
神戸大学大学院人文学研究科教授。専門は中国語圏文学
松浦恆雄[マツウラツネオ]
中国文芸研究会会員。専門は19世紀以降の中華圏文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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