エクス・リブリス<br> スモモの木の啓示

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エクス・リブリス
スモモの木の啓示

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  • サイズ 46判/ページ数 273p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560090718
  • NDC分類 929.93
  • Cコード C0097

出版社内容情報

〈国際ブッカー賞〉〈全米図書賞〉最終候補作品

 1988年8月18日午後2時35分に、村を見下ろす丘にあるいちばん背の高いスモモの木の上で母さんは啓示を受けた。まさにそれと同じ瞬間、兄さんのソフラーブは絞首刑になった。
 それを遡ること9年、イスラーム革命の最中に、テヘランの私たち一家は熱狂した革命支持者たちによって家に火を放たれ、かけがえのないものを失った。私たちは道なき道を分け入り、ようやく外界から隔絶された村ラーザーンにたどり着く。そこは奇しくも1400年前、アラブ人の来襲から逃れたゾロアスター教徒が隠れ住んだ土地だった。
 静かな暮らしを取り戻したと思ったのもつかの間、村にも革命の波が押し寄せる。ある日ソフラーブが連行されると、母さんのロザー、父さんのフーシャング、姉さんのビーターの身にも次々に試練が降りかかる……。
 13歳の末娘バハールの目を通して、イスラーム革命に翻弄される一家の姿が、時に生々しく、時に幻想的に描かれる。『千一夜物語』的な挿話、死者や幽鬼との交わり、SNSなどの現代世界が融合した、亡命イラン人作家による、魔術的リアリズムの傑作長篇。

内容説明

1988年8月18日午後2時35分に、村を見下ろす丘にあるいちばん背の高いスモモの木の上で母さんは啓示を受けた。まさにそれと同じ瞬間、兄さんのソフラーブは絞首刑になった。それを遡ること9年、イスラーム革命の最中に、テヘランで幸せに暮らしていた私たち一家は熱狂した革命支持者たちによって家に火を放たれ、かけがえのないものを失った。私たちは道なき道を分け入り、ようやく外界から隔絶された村ラーザーンにたどり着く。そこは奇しくも1400年前、アラブ人の来襲から逃れたゾロアスター教徒が隠れ住んだ土地だった。静かな暮らしを取り戻したと思ったのもつかの間、ラーザーンにも革命の波が押し寄せる。ある日ソフラーブが連行されると、母さんのロザー、父さんのフーシャング、姉さんのビーターの身にも次々に試練が降りかかる…。13歳の末娘バハールの目を通して、イスラーム革命に翻弄される一家の姿が、時に生々しく、時に幻想的に描かれる。『千一夜物語』的な挿話、死者や幽鬼との交わり、SNSなどの現代世界が融合した魔術的リアリズムの傑作長篇。国際ブッカー賞、全米図書賞最終候補作品。

著者等紹介

アーザル,ショクーフェ[アーザル,ショクーフェ] [Azar,Shokoofeh]
1972年イラン生まれ。イランでジャーナリストとして活躍し、『ペルシア文学百科事典』の編著、シルクロードの踏破本などを発表していたが、2011年に政治難民としてオーストラリアに移住し、現在はパースに暮らしている。創作はペルシア語で行っており、小説デビュー作の『スモモの木の啓示』も元々はペルシア語で書かれた。2017年に英訳版がオーストラリアで出版されて“ステラ文学賞”最終候補になり、大きな話題を呼んだ。そして2020年に英米を含む広い地域で発売になり、“国際ブッカー賞”と“全米図書賞”の翻訳文学部門の最終候補に残った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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(C17H26O4)

93
イラン革命に翻弄された家族の物語。彼らを呑み込んだ出来事や感情がマジックリアリズムによって凝縮され、密封され、膨張し、張り裂け、溢れる。時に恐ろしい程美しく。耐え難い苦しみや家族の深い愛に何度となく込み上げてくるものを堪えた。イラン革命の知識が少しだけでもあった方がいい。途中調べた。政治難民としてイランからオーストラリアに移住した著者によって元々はペルシア語で書かれたこの物語。英語への翻訳者は安全上の理由で匿名であり、ペルシア語版はイランでは非公式でしか入手できないという。今年のベストに間違いなく入る。2022/04/10

ヘラジカ

69
イスラーム革命によって暴力と死に取り巻かれた一家の悲劇、過酷で激烈な運命を、饒舌な語りと豊かな物語によっておとぎ話のように包み込んだマジック・リアリズムの傑作。目を覆いたくなる程に残酷だが、ユーモアと遊び心、そして家族愛の灯火は小さくも確かに光っていて、決して読者を絶望のなかに置き去りにはしない。極稀に序盤から呑まれるように没入してしまう小説があるが、この長篇はまさしくそんな作品の一つだった。傑出した想像力によって、人間の最も醜い部分を描きながら、対極にある美しさをも詩的に表現した幻想小説。2022/02/01

nobi

62
イスラム革命はこんな形で当時のイランの人々に襲いかかったのか、と慄然とする。テヘランの大きな邸にはもちろん疎開先の僻地の村にも革命防衛隊はやってくる。邸にも蔵書にも火が点けられ家族は一人づつ消えていく。死者が亡霊となって生者と会話しいたずらしても不自然でないほど、あまりにも多い身近な死。処刑された数千の政治犯宗教犯もまた…。その絶望的な状況にも多様で視覚的な物語があり稀に笑いがある。ペルシャ神話を産んだ民の想像力がアーザルにも受け継がれているかのよう。彼女の描くホメイニーに驚き立ち上がる父の姿に熱くなる。2024/10/05

NAO

60
1979年のイラン・イスラム革命以降、両親、兄、姉、語り手の少女の5人家族に起きた悲劇を、マジックリアリズムで描いた作品。このバハールという語り手がなんとも特異な存在なのだが、この作品の現実離れしたまか不思議な世界を語るにふさわしい人物なのだ。革命の名のもとに殺害された悔しさと悲しさに、いつまでもこの世に留まっている数多くの魂。イスラム社会とは切り離されたような僻地の村にいまだに出没する幽鬼(ジン)。森の中で生きていたときの思い出話をしあう幽霊たち。革命に翻弄される一家が生々しく描かれていく一方で⇒2022/06/23

hiroizm

36
イランからの亡命女性作家作品と知り興味を持って読書。1979年のイスラーム革命時、混乱に巻き込まれ亡くなった少女の視点で描かれた家族の悲劇の叙事詩的小説。当時のホメイニ政権がこの小説に描かれているような暴力的弾圧など大きな混乱をもたらしていたとは知らず読んで驚愕。また現代小説ながら南米文学とはまた一味違う、死後の世界、霊魂、魔物、呪術、迷信などペルシャ古典、神話テイストのめくるめく幻想小説なのも驚いた。また主人公家族が革命後の混乱するテヘランから逃れる先がゾロアスター教信仰の村なのも何か意味ありげだ。 2022/08/12

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