出版社内容情報
色白の美しい女性をめぐる、いびつに歪んだ人間模様--3つのグロテスクが味わえる、なごやか&官能的な、現代口語シチュエーション・コメディ!第59回岸田國士戯曲賞受賞作品。
内容説明
第59回岸田國士戯曲賞受賞作品。色白の美しい女性をめぐる、なごやかにエロティックな人間模様―3つのグロテスクが味わえる現代口語シチュエーション・コメディ。
目次
トロワグロ
特別ふろく(上演記録;出演者のコメント)
著者等紹介
山内ケンジ[ヤマウチケンジ]
1958年、東京生まれ。電通映画社(現・電通テック)を経てCMディレクターとして活躍。1万本以上のCMを作ってきたが、2004年から突然、演劇の作・演出を開始。城山羊の会主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
59
歪でどこか記号的な人間関係によって起こる三つのグロテスク。物語としては今の日本の歪さによる不穏を揶揄しているような話でしたが、表現としては個人的に苦手なタイプの戯曲でした。シェイクスピアやテネシー・ウィリアムズなど、「登場人物が心情や回想などを独白という形で語ることで状況下が分かる」系戯曲に慣れてしまった者としては相槌などの言葉未満の単語でほぼ、進行する戯曲を文字で読み取り辛いのです。後、生々しい大人の性欲が交錯している筈なのに登場人物の個性がフラットなのも違和感があって文章だと誰が誰だか分からないです。2017/07/17
りえこ
15
とても読みやすく、面白かったです。舞台で観たい。2015/08/20
りえこ
9
会話劇。文章で読んでいると途中動きが少なくて退屈に感じるところがあるので、人が演じているのを見たいなと思いました。2021/03/10
ふう
8
本作で第59回岸田國士戯曲賞を御年56才にて受賞。ちなみに最年少は24歳の柳美里…岸田國士戯曲賞って新人の賞って感じは全然ないな。城山羊の会の人らしいが(字面にはおぼえあり)、CMディレクターとして「白戸家」やら「ヤキソバン」wも手掛けてるんだと。こういう経歴だからか、なんと言うかすごく演劇っぽいなーって感じ。ボトボトとこぼれおちる言葉が妙にエロティックではあったけど、あんまり笑える感じじゃない。「黒い三谷幸喜」は私には難しすぎたかも。ついでにふろくも豊富すぎ(これは良いことだが)。2016/04/06
Mark.jr
4
岸田國士戯曲賞の選評で、松尾スズキ氏が「ブラックな三谷幸喜」と表してますが、確かにそんな感じです。物語が進むにつれて登場人物は自己を露呈していくわけですが、その赤裸々にやるのではなくチラ見せするかのような出し方が、巧みかつ演劇的です。2023/11/17