出版社内容情報
当時広く受け入れられた作品を紹介することによって中世の文学・精神世界、社会の理解を深めるアンソロジー。
内容説明
アーサー王、聖杯、トルバドゥールなど、フランス中世文学の重要な分野・作家・作品群を新たな視点から収録。本邦初訳。
著者等紹介
松原秀一[マツバラヒデイチ]
1930年生まれ。慶應義塾大学経済学士、文学修士。慶應義塾大学名誉教授、フランス国立ポワチエ大学名誉博士
天沢退二郎[アマザワタイジロウ]
1936年生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学。明治学院大学文学部名誉教授
原野昇[ハラノノボル]
1943年生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程中退。広島大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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チャカチャカりきりき
2
色々今まで邦訳されたことのないものが山ほど邦訳されたので、このシリーズをぜひ続けてほしいのだが、気に入らぬのは『つれない姫君』の訳注が節ごとに付けられているので、いちいちページをめくったりめくり返さなければならず、連続したイメージのまま一気に読むには煩わしい。まあ、多くの知識を知りたい人にはこういう詳しい訳注はいいと思うが。2014/12/10
j1296118
2
『ブリュ物語』と『聖杯由来の物語』が目当てだったが、変身物語超訳『フィロメーナ』をはじめ『ばらの物語』やら冒頭の「虎は一種の蛇」に思わず噴き出した『動物誌』ら他の収録作も十分よく楽しめた。 挨拶も無しに仕事放り出してさっさと逃げ出した『アラスのクルトワ』はこれ本当に真人間になったのかいな2014/08/07
たかし
1
ヴァースの『ブリュ物語』を目当てに。ご丁寧に、アーサー王の関係する部分だけを切り取ってくれているという抄訳仕様になってます。マロリー版で活躍するランスロットも聖杯伝説もなく、メインはアーサー王の戦争なのであるが、逆に新鮮である。アーサー王の甥といえばガウェインなのであるが、ホエルとかいうのもかなり重要な地位を占めていて興味深い。ケイ、ベディビアのように地位の低下どころか、後世になって抹消されちゃったキャラも多いのだろうなぁ。2017/03/12