内容説明
「文学の未来」を切り開く注目の作家が初めて縦横に語りつくす、待望のエッセー集。
目次
浦からマグノリアの庭へ
W先生とM先生のラブレー(W先生とM先生のラブレー;ボルヘスを読むこと;クレオールな読書;マリー・ンディアイに会う)
僕の好きな本―書評2008‐2009(『狼たちの月』;『バートルビーと仲間たち』;『限界集落』『地域の力』;『バーデン・バーデンの夏』 ほか)
ふるさとについて(カズオ・イシグロのどこでもない場所;受けとめあう「二人組」―大江健三郎『さようなら、私の本よ!』をめぐって;ふるさとについて―中上健次『鳳仙花』と坂口安吾)
著者等紹介
小野正嗣[オノマサツグ]
1970年、大分県生まれ。作家、フランス語圏文学研究者、パリ第8大学文学博士。現在、明治学院大学文学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
CAFECAFE
6
フランス文学研究者で作家の、小野正嗣さんのエッセイ。クロードとの出会いから始まる、フランスはオルレインでの日々。彼の地で暮らすと、移民が置かれた過酷な現状を目の当たりにするが、素晴らしい人との出会いを始め、実りある留学生活だったんだなぁと思った。1Q84を始め、好きな本にも触れており、同業者の視点が分かり易い。ハルキの良さってココなのか、と今更ながら理解した。眠くなりそうだったので、フランス文学論だけは読みとばしちゃいました。ごめんなさい(笑)。2011/01/10
けろ
2
「ふるさとについて 中上健次『鳳仙花』と坂口安吾」の項が、『鳳仙花』を丁寧に読んだこともあり興味深かった。2018/10/30
いのふみ
2
端正な文章の中に、時おり土着的な文章やモチーフが混淆してきて立ち止まらされる。このテクストのありよう、驚きが味か。2017/07/12
takao
1
ふむ2024/11/04
リタ
1
マグノリアの木がすべてを見て、聴いている。作者が感じた人間の色彩も、文学的な光も、この本の中のあの庭で、花となって咲き誇っている。私にとって、この本との出逢いは全く新しい読書体験との邂逅だった。2014/05/08