内容説明
1910年1月、花の都は巨大な湖と化した。紀元前以来くりかえされてきたパリの洪水。都市型水害の原因をときあかす、もうひとつのパリ史。
目次
第1章 消えたセーヌ川
第2章 パリのセーヌ川
第3章 パリの洪水
第4章 パリの洪水史
第5章 一九一〇年一月 パリがセーヌに沈んだ日
第6章 そして、今は
著者等紹介
佐川美加[サガワミカ]
1960年生まれ。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業、同大学第一文学部文学科フランス語フランス文学専修卒業。2000年、フランス政府給費留学生として、パリ大学ソルボンヌ校ILPGAに短期留学。日仏図書館情報学会会員。日本地理学会会員。雙葉中学・高等学校勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keroppi
4
パリ洪水のニュースを見て、ネット検索していたら、こんな本を見つけてしまった。図版や写真も多く、パリの洪水の歴史を知ることが出来る。美術館の洪水マニュアルの事も書かれていた。テロや洪水が続き、散々な目にあっているパリだが、早く美しいパリを取り戻して欲しい。2016/06/09
takao
2
☆最初に、年代別のセーヌ川の変遷をきちんとつけるべき。それでかなりわかりやすくなる。2018/05/11
150betty
1
(☆2)なるほど工事した結果、逆に水害が起きやすい状況を作ってしまったというのはおもしろい。地震で液状化したところを古地図と照らし合わせると昔川だったり水田だったことが多かったというのを聞いたことがある。巨大都市に水運は不可欠で、水流の都合でパリは上流から物品を運搬することはあっても下流から運搬することはほとんど無かったという話や、モリモリ川にゴミを捨ててゴミ処理してるのは正にシムシティみたいな感じですね。2013/04/23
富士の鷹
1
パリのセーヌ川の現在の河道は、河川争奪の結果、形成されたものであること、そのため様々な構造物による河道の閉塞やアイスジャムにより氾濫が起こると、旧河道に向けて度々あふれ出ていたこと、また近代は、排水路や下水道の整備によりかえって水位の平衡で洪水が拡がったことが、丹念な史料の読み込みにより興味深く再現される。結局、パリの治水安全度が確保されるのは、パリ市の上下流に堰が作られ水位調整がされてからのようだが、治水論のガイドブックとしても解りやすいと思う。2011/02/04
オペラ座のカニ人
0
今から110年前に起きたセーヌ川の氾濫によるパリに起こった大洪水。その頃も世界各国から援助物資が来ていたなんて驚きである今と何も変わらない。その時の亡くなった方は郵便配達員1人だったこともまた驚きである。また世界的な美術品があるパリに大洪水に対する対策を持っていることもまた驚いた。2022/03/30