内容説明
軍事、エネルギー、ビジネス…00年代のロシアを牽引したプーチンの「政治手腕」を完全検証。啓蒙絶対主義のもと世界大国として復活した国家の諸相を活写する。地図・年譜・図版資料収録。
目次
1 真実の瞬間
2 特務機関にて
3 プーチン氏に会う
4 プーチン麾下の人々
5 ロシアの崩壊
6 面目を失った軍
7 カザンの空に昇る三日月
8 ガスプロム―新しい権力通貨
9 権力と人民
10 ロシアとビジネスする喜び
11 外交政策の探求
12 エピローグ―大統領になる方法
著者等紹介
シュテュルマー,ミヒャエル[シュテュルマー,ミヒャエル][Stuermer,Michael]
1938‐。ドイツの歴史家。1973年から2003年までエアランゲン・ニュルンベルク大学の教授。専門は第二帝政期のドイツ史で、『落ち着かぬ帝国―ドイツ一八六六‐一九一八』ほか、多くの編著書がある。政治の場でも精力的に活動し、保守派としての旗幟を鮮明にしている。1980年代にはコール政権のブレーンとして政策立案にかかわり、国際政治・安全保障問題研究所の所長を務める。現在は保守系の『ヴェルト』紙のチーフ・コレスポンデント
池田嘉郎[イケダヨシロウ]
1971年秋田生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)。西洋史学。現在、新潟国際情報大学情報文化学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Isamash
21
ミヒャエル・シュテュルマー・元エアランゲン・ニュルンベルグ大(独)教授(現在保守系ヴェルト紙のチーフコレスポンデント)による2008年著作の訳本。プーチン氏と数回会っているとのこと。西側知識人の多分野の質問にアドバイザーも無しでただ一人で答え、質問を楽しんでいる風にも見える様子に驚いている様な記述が有る。著作全体としては、プーチンロシアの現状を賞賛も最低評価も無しに冷静に見ている印象。ただ、欧州が民主化発展途上のロシアを冷静に導いていく必要性を強調しており、現在的視点から見ると楽観的すぎるきらいもありか。2022/05/16
紙狸
19
原書は2008年刊行。邦訳は2009年。著者はドイツ人歴史家。2008年はプーチン大統領が2期8年間大統領を務めた節目の年。ロシアが安定を取り戻し、プーチン大統領は西側への不満を露骨に示し始めていた。人口・資源などロシアを見る上で基本的なデータを示したグラフ・表を収録。プ―チン氏を間近に観察する機会を何度ももった著者の語り口は、生き生きとしている。訳者・池田嘉郎氏の巻末解説が出色。「ソ連時代の経験は・・・現代のロシア国民のあり方にとって、本源的な要素となったのでは」と解説を超えた問題提起に踏み込む。2023/05/06
ushimanm5
1
国外に住むロシア人、天然ガス、パイプライン、人口減少2020/05/07