内容説明
巨大なジャンプ台を軽々と踏み切り、飛んでいく一人の少女。沢北小学校の転校生として寂しい日々を送っていたさつきは、同じクラスの天才スキージャンパー・理子の姿に目を奪われる。「一緒にジャンプやらない?」その笑顔に導かれ、さつきの青空への挑戦が始まった!向かい風は大きく飛ぶためのチャンス。この言葉を支えに奮闘する少女達の、笑顔と友情と涙がつまった青春小説。
著者等紹介
乾ルカ[イヌイルカ]
1970年北海道生まれ。2006年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。10年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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相田うえお
176
★★★★★ジャンプのワンピース(スキースーツ)とジャンプのワンピース(漫画)、確かに断片的に聞いたら勘違いしますね。こんな勘違いからジャンプをする事になった女子の成長物語。いや〜聞き間違いってありますよね!例えばドライバー(ネジ回し)とドライバー(運転) , 俺ん家とオレンジ , 画鋲が無いガビョ〜ンみたいにね。(ゔっ。最後はCMでお馴染みの単なるオヤジギャグになってしまった。例が悪かったか。。んーな勘違いないなぁ。) 本作読んで思いました。かわいい子には旅をさせろ!と!危ないから何もさせないは本末転倒!2016/12/27
ぶち
81
スキージャンプという競技の喜びと苦悩がよくわかります。舞台は架空の町ですが、下川町や名寄市がモデルのようです。風景、気候、土地の雰囲気がリアルに描かれています。学生時代にスキー競技(ジャンプではなくアルペン)をやっていたので、当時の心境や信州や北海道の雰囲気が懐かしく思い出され、嬉しくまた少し興奮もしました。追いつかれる不安や焦り、成長による肉体変化への嫌悪、若い少女に特有の葛藤や煩悶なども描かれていて、少女たちの笑顔と友情と涙がつまった青春小説です。読後感も心地よかったです。2023/12/30
ユメ
47
天才ジャンパーと言われる理子に誘われてスキージャンプを始めたさつき。大好きなウィンタースポーツが題材で、夢中になって読みふけった。さつきと理子、二人の少女の揺れる感情が丁寧に追われていたのが好印象。「向かい風」というと普通は逆風、逆境のことだ。ところが、スキージャンプにおいては向かい風のときこそ飛距離が伸びるというのが定石。さつきも理子も、向かい風に乗って飛び出していく。壁にぶつかったときも、向かい風こそチャンスだと信じて。価値観を鮮やかに覆してくれる彼女たちの美しいジャンプに、ただただ見惚れていた。2016/11/28
ココ(coco)
42
☆☆☆★乾ルカさん4冊目です。今回はスキージャンプの青春物語で読後感も爽やかです。天才ジャンパーの理子が壁にぶち当たり、悩みながらも立ち直っていく姿に感動しました。ちょうど今、冬季オリンピックの真っ最中なので、高梨沙羅選手を思い描きながら読んでいてタイムリーでもありました。2018/02/13
アポロ
40
ダイブ、武士道シックスティーンとか好きなら好きなのかな!面白かったんだけど、ちょっと若すぎて感情移入があんまりできなかったな!もっと大人になった2人を見たいな! 2017/05/11