出版社内容情報
西洋音楽史の精華である古典派の音楽を概説する。古典派の成果である、書法の完璧さと高潔な博愛的内容、そしてモーツァルトの音楽に特に認められる理想の美といったものが、ベートーヴェンの没後どのように成立してきたか、その過程をヴィーン古典派の作品を詳述しつつ分析した包括的な音楽史。
内容説明
「音楽史の時代としてみた場合、古典派とロマン派はひとつの統一体を形成している」という著者独自の考えを前提に、様式史からみた「古典派」と、「古典」にとっての必須の条件である説得性、模範性、永続性という点から個々の作品の「古典性」とを厳密に区別しつつ、古典・ロマン派時代の初めに形成され、そこから発展し、高まり、複雑化し、細分化し、先鋭化し、最後には崩壊した様式類型の、ゆっくりとした変容の過程を分析する。
目次
第1章 一般的な意味での古典の概念
第2章 古典主義とロマン主義
第3章 古典派時代への転換
第4章 諸国民「混合趣味」「世界言語」
第5章 古典派様式とその諸相
第6章 オーケストラと古典派の音響像
第7章 公開演奏会と音楽家の地位