出版社内容情報
生誕100年記念復刊。同性愛をテーマに内なる自己との出会いの衝撃を描いた、米国で再注目される黒人作家の代表作。金原瑞人解説
内容説明
パリに遊学中のアメリカ人青年デイヴィッドは、婚約者ヘラが長期旅行で不在の間に、ふとしたことからゲイの世界に踏み込み、ジョヴァンニと知りあう。ジョヴァンニの部屋で二人は同棲生活を送るうちに、デイヴィッドは封印してきた過去がよみがえり、苦しみを募らせる…。
著者等紹介
ボールドウィン,ジェームズ[ボールドウィン,ジェームズ] [Baldwin,James]
1924‐1987。アメリカの小説家、随筆家、劇作家、詩人、公民権運動家。ニューヨークのハーレムで生まれる。母は未婚で、実父に会ったこともなかった。3歳の時に母が結婚し、少年時代は厳格な義父との関係に悩む。1948年から10年にわたってパリで生活し、自らを客観的に捉える機会となる。53年、父子の関係を描いた自伝的小説『山にのぼりて告げよ』でデビュー
大橋吉之輔[オオハシキチノスケ]
1924年、広島県生まれ。慶應義塾大学名誉教授。1993年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
御庭番
2
ジェームズ・ボールドウィンの本をみつけたので購入。 映画でボールドウィンを見たときに感じた憂いみたいのがこの本からも感じられた。 アメリカにおいて、黒人でゲイというのはとてつもなく大変な時代だったはず。そんな彼が生み出した作品にはその思いがにじみ出ている。苦しいくらいの内容だった。あえて白人を書いているのに、自分には読んでいて黒人が見えてしまった。2025/01/07
Э0!P!
1
市場に行く、ジャックは警告、イタリアのお母さん・祈りなさい、高く積まれた洗濯物、水兵、アメリカンエキスプレス、スウ、死というものが現実として浮かぶ(自分の人生をどう全うすべきかわからない)・安寧の網の目からこぼれ落ちてしまったという感覚、ギヨームにクビにされた、孤独だと嘆く、壁に本棚を埋めようとする刑務所しか現実ではない男、故郷は去るまでなく去ったら戻れない、お互い煉瓦を掴んで「抱いてくれ」・このような瞬間ごとに殺人、ヘラからの手紙、彼女と再会・ジョヴァンニを忘れようとする2025/06/03
Ryuta
0
プライド月間に読むには救いのない話だった… 「その瞬間に、もし屈していたら、ぼくは永久に、あの部屋に、彼とともに閉じこめられてしまっただろう。 そして、ある意味で、それこそ、ぼくがもとめていたことでもあった。」2025/06/14
讀。
0
震える。この作者さんの時代背景も考えると。 色んな視点がみえてくる。2024/12/13
jam
0
何というか本当に切ない話だなと。でも切ないと言ってしまうには生々しいし痛い。たとえば今の時代だったらディヴィッドも自分をそこまで偽らなくても生きられたかな、とは思う。そういう意味では世界は少しずつ良くなっているのかも。2024/10/21
-
- 電子書籍
- 男のハンバーグ道 日本経済新聞出版