白水Uブックス 海外小説永遠の本棚
ヴィレット〈上〉

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  • サイズ B40判/ページ数 444p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560072257
  • NDC分類 933
  • Cコード C0297

出版社内容情報

異国の街で寄宿学校の教師として生きる英国女性の内面を描き、『ジェイン・エア』以上に円熟した傑作と称されるブロンテ文学の到達点。

内容説明

海を渡り、ラバスクール王国の首都ヴィレットへ辿り着いた身寄りのない英国女性ルーシー・スノウは、女子寄宿学校を経営するマダム・ベックに雇われ、英語教師としての生活を始める。学内で起きるさまざまな小事件、幼馴染との再会、胸に秘めた思いと痛切な孤独の痛み。運命に立ち向かうヒロインの心理的陰影に富んだ語りの魅力で『ジェイン・エア』以上の傑作と称されるシャーロット・ブロンテの文学的到達点。

著者等紹介

ブロンテ,シャーロット[ブロンテ,シャーロット] [Bront¨e,Charlotte]
1816年、ヨークシャーのソーントンで英国国教会牧師の娘として生まれる。4歳の時に転居したハワースの牧師館で、幼い頃から弟や妹たちと物語を作って遊ぶ。寄宿学校で学び、学校教師、家庭教師として働いた後、1842年にブリュッセルのエジェ寄宿学校に留学。帰国後、学校開設を目指すが生徒が集まらず断念。1846年、「カラー・ベル」の筆名で妹エミリ、アンとの共同詩集を自費出版。続いて取り組んだ長篇小説『教授』は出版社に断られるが、第二作『ジェイン・エア』(47)が刊行されると大評判となる。『シャーリー』(49)、『ヴィレット』(53)も好評を博した。1854年、父親の牧師補アーサー・ニコルズと結婚するが、翌1855年死去。1857年、『教授』が死後出版された

青山誠子[アオヤマセイコ]
1931年名古屋市生まれ。英文学者。1956年東京大学大学院修士課程修了。共立女子短期大学教授、フェリス女学院大学教授、青山学院大学教授を歴任。2000年春、青山学院大学を定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

75
自伝的要素の強いものだという。小説的なドラマチックな展開は期待外れ。尤も名もない地位もない少女の立身の物語として読めないことはないが、ややまだるっこしいかもしれない。心理分析の辛辣さと、下手すると陰湿とも誤解されかねない場面も多々見受けられる。それでも読み続けられるのは、折々の自己分析や情景描写に嗅ぎ取れる上質の孤独感だろう。あくまで己の知性と感性で考え尽くすその姿勢が、なぜそこまで孤立志向なのかと哀れの感を抱きつつも、稀有なる存在なのだと納得させられて、読み入ってしまうのである。さて、引き続き、下巻へ。2021/02/04

秋良

12
【G1000】ジェイン・エア以上の傑作とも呼ばれているらしいシャーロット・ブロンテの作品。ジェインでも最後はそれほどイケメンでもない相手とくっついてたけど、今作も小男エマニュエルへの眼差しがやけに優しい。もしかして著者はB専だったのかという下衆の勘ぐりをついついしてしまう(笑)個人的にはジェインのがぐいぐい読めたな。2020/03/01

鳩羽

10
家庭に恵まれないルーシーは、名付け親のもとで過ごした日々を唯一の幸福な記憶として持ったまま、単身外国へ渡り、行き当たりばったりに女学校の教師になる。変わり者の経営者マダム・ベックや、奔放な女子学生達とも距離を取り、理性の命じる孤高を貫くが…。いかにもイギリス女性らしいルーシーと、フランスに似た架空の国の文化、人々との対立が面白い。なぜこんなにルーシーが偏屈で自罰的なのかは分からないが、理想の男性と見ていた人が幼馴染であったりと、この後の展開が気になる。2019/12/24

7ember

5
オースティンはイヤな人を本当にイヤな感じで描くけど、シャーロット・ブロンテはイヤな人をそれでも嫌いになれない感じで描くのが上手いのかもしれない。2023/03/22

amanon

5
それなりに面白いのだけれど、少なからず「あれ?」と首を捻ったり、明らかにご都合主義と思われる箇所が少なからずあったのが気になる。著者の妄想をそのまま小説にしたのでは?という気にさせられたというか。後、ディケンズのような同時代の英文学との共通性を感じると共に、バルザックなどの仏文学との差異も感じる。前者が人の善意や立身出世の可能性に対する信奉がそれなりにあるのに対して、後者が希薄というか。また、カトリックとプロテスタントとの差異や両者の歩み寄りと反発を交えたせめぎ合いなど、キリスト者として興味深く読めた。2019/10/18

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