出版社内容情報
大富豪が中央アジアに建設した奇怪な〈夢の国〉、次々に街を襲う恐るべき災厄とグロテスクな終末の地獄図を描く幻想小説。
大富豪パテラが中央アジアに建設した〈夢の国〉に招かれた画家夫妻は、奇妙な都に住む奇妙な人々と出会う。やがて次々に街を襲う恐るべき災厄とグロテスクな終末の地獄図。挿絵多数。
【著者紹介】
1877年、ボヘミア(現チェコ)で生まれる。グロテスクな怪奇幻想の画家として注目され、ミュンヘンの〈青騎士〉にも参加、カンディンスキー、クレーらと交流。ホフマン、ポー、ドストエフスキーなど数多くの挿絵本を手掛けた。唯一の小説『裏面』(1909)の悪夢的な幻想と不条理に満ちた世界はカフカの先駆とも評されている。1959年死去。
内容説明
巨万の富を持つ謎の人物パテラが中央アジア辺境に建設した“夢の国”に招かれた画家は、ヨーロッパ中から集められた古い建物から成る奇妙な都に住む奇妙な人々と出会う。画家はこの街の住民となり、数々の奇怪な体験をするが、やがてパテラの支配に挑戦するアメリカ人の登場と時を同じくして、恐るべき災厄と混乱が都市を覆い始める。幻想絵画の巨匠クビーンが描くグロテスクな終末の地獄図。作者自筆の挿絵を収録。
著者等紹介
クビーン,アルフレート[クビーン,アルフレート] [Kubin,Alfred]
1877‐1959。ボヘミア(現チェコ)のライトメリッツで生まれる。ミュンヘン美術学校で学び、1902年、ベルリンで初の個展を開催、ブリューゲル、ゴヤ、ムンクらの系譜を継ぐグロテスクな怪奇幻想の画家として注目される。1906年、オーストリアの小村ツヴィックレットに移住。同地を拠点にミュンヘンの“青騎士”にも参加、カンディンスキー、クレーらと交わった。1909年、唯一の長篇小説『裏面』を自作の挿絵を付して発表。その悪夢的な幻想と不条理に満ちた世界は、カフカを先取りするものと評されている
吉村博次[ヨシムラヒロツグ]
1919年山梨県生まれ。東京帝国大学文学部卒業。同志社大学名誉教授。ドイツ文学者。1999年没
土肥美夫[ドヒヨシオ]
1924年京都府生まれ。京都大学文学部哲学科卒業。京都大学名誉教授。美術史学者。1989年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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HANA
藤月はな(灯れ松明の火)
KI
りんたろう
rinakko