内容説明
第一次大戦のさなか、オーストリア国境のイタリア軍は、はてしない塹壕戦を戦っていた。無能な将軍の無謀な作戦で次々に倒れてゆく兵士。にもかかわらず使命感に燃え、勇敢に戦闘に立ち向かう主人公の姿は、読者に感動を与えずにはおかない。戦争の悲惨さをあますことなく描いた戦争文学の傑作。
著者等紹介
ルッス,エミリオ[ルッス,エミリオ][Lussu,Emilio]
1890‐1975。サルデーニャ島生まれ。第一次大戦に従軍し、数多くの戦闘を生き延びる。戦後は下院議員となって反ファシズムの立場を貫くが、逮捕され流刑を宣告される。流刑地からの脱走後、国外で反ファシズム活動を続ける。第二次大戦中はレジスタンスの指導者として活躍し、戦後は上下院議員を30年近くつとめた。優れた文章家として知られており著作も多い
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感想・レビュー
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kero55
1
面白かった。 某アドベンチャー・サバイバル系乙女ゲームで、イタリアの一次大戦時のアルプス戦線の話を見て興味が沸いた次第。とにかくリアルです。 酷い話をさらっと描いてるとこが余計想像を掻き立てる。 アホな上司を持つと死に直結、でもなんとか、運良く…本当にこの主人公は運良くの人だった。 イタリアは戦勝国だったけど、やはり戦争は下の人間にとっては、感覚マヒさせないと生き抜けない地獄だ、改めて思いました。2023/06/18
bittersweet symphony
1
エミリオ・ルッス(1890-1975)はサルディニアの地主階級生まれの政治家で、反ファシスト闘争で流刑・脱獄・フランス亡命、第二次大戦時のレジスタンスの指導者。士官として従軍した第一次大戦のオーストリアとの戦線での体験を回想。戦場がいかに人をおかしく、おかしな人がその特性を発揮するか、を描写。著者の周りに現われる奇矯な人物が突出した行動をすると必ず死んでしまうところなどは図らずもブラックユーモアになっています。気をつけないと人というのは本当にしごく簡単に死んでしまうものであることをあらためて認識。2005/11/17
nante
0
静かでシンプルな語り口で描かれる、酷い塹壕戦の状況。真の敵は、敵軍の中ではなく自軍にいるとは。なんとも悲惨だ。2012/07/25
ulyssa
0
敵の姿は見えない。上官は非現実的で、他人も友人もあっさり死ぬ。奇跡的に最前線を生き抜いた著者による、うんざりするような塹壕戦をどうぞ2011/04/17
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