出版社内容情報
【全巻内容】1 灰色のノート/2 少年園/3 美しい季節1/4 美しい季節2/5 診察/6 ラ・ソレリーナ/7 父の死/8 一九一四年夏1/9 一九一四年夏2/10 一九一四年夏3/11 一九一四年夏4/12 エピローグ1/13 エピローグ2
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
69
アントワーヌとラシェルの実らぬ恋。ジャックと、ダニエルの妹ジェンニーとの、ちょっとややこしげな関係。兄弟それぞれの青春物語は、どちらも明るく愉しいものではない。2020/05/05
syaori
64
「美しい季節」の終り。不倫を繰り返すフォンタナン家の家長ジェロームの帰還、ジャックとジェンニーの親和と反発、アントワーヌの恋の終焉などが語られます。人は「誤りにあやまりを重ねながら、永遠に自分のものとされている道の上を歩みつづけなければならない」という言葉が象徴するとおり、愛や人生に対する各々の懊悩と試行錯誤が描かれるなか、ジャックとジェンニーを結び付ける潔癖さやアントワーヌの恋の顛末が印象に残りました。自分と異なる生き方を持つ恋人により新たな視点を得、激しい愛と悲しみを知ったアントワーヌを追って次巻へ。2021/02/03
藤月はな(灯れ松明の火)
30
最悪な夫に対しても慈悲を与えるフォンタナン婦人の姿に人間味がなさすぎるほど、理性的で裏があるんじゃないかって思うくらい、怖い・・・。そして母を死の淵に追いやりながらも浮気は辞めなかったために自身を屈辱に塗れさせたのにいけしゃあしゃあと赦しを乞うジェロームに対して許しちゃうニコラの気持ちに唖然。私も庇護欲を唆る相手には優しくなれる女だけど、未だ、父のしたことを許していないがために父を苦しめるために赦しを乞わせないようにしているのでニコラの気持ちは少しは納得できるけど、共感はできなくてモヤモヤします(=”=)2015/09/21
榊原 香織
28
この巻は面白い。映画になりそうなシーンが続く。 芸術家の集まるバーでチラでする日本人て、もしかして藤田嗣治?2020/10/14
しんすけ
21
多くの人々の幸・不幸が輻輳的に書き流されていく。 ●ノエミの死。フォンタナン夫人の従妹でニコルの母。そしてジェローム(フォンタナン夫人の夫)との不倫関係にあった女だったノエミ。ジェロームとの同棲生活の果てに死んでしまう。 ●ジャックとジェンニーの間には、まだ交際関係が芽生えない。 ●ジェロームがリネットと交際が復活する。リネットは息子のダニエルとも関係ある女だ。 ●ラシェルがアントワーヌのもとを去っていく。2020/08/16