出版社内容情報
5世紀末から6世紀にかけてガリアの地を征服したクローヴィス。フランク族の来歴と彼の生涯をたどり、「フランスにおける最初の国王」の実像に迫る。首都パリが誕生する時代を活写。
内容説明
五世紀末から六世紀にかけてメロヴィング王朝の始祖として、ガリアの地に君臨したクローヴィス。本書は、中世初期史研究の成果をもとに、フランク族の来歴と彼の生涯をたどり、クロティルド妃やキリスト教との関わりのなか、「フランスにおける最初の国王」の実像に迫る。首都パリが誕生するまでの時代を活写。
目次
第1章 サリー・フランク人クローヴィス―四八六年まで(サリー・フランク族;キルデリクスの遺産―四六三~四八一年;西ローマ帝国の終焉とクローヴィスの即位)
第2章 クローヴィスとキリスト教―五〇〇年まで(宗教の問題;クローヴィスの洗礼;五世紀末・六世紀初頭のキリスト教諸権力―王権の場所はあったのか)
第3章 クローヴィスの功績―五〇〇~五一一年(統一と主権;国王と法;五一一年のオルレアン公会議)
著者等紹介
加納修[カノウオサム]
1970年生。’92年名古屋大学文学部卒業。’94~96年パリ第10大学留学、高等研究資格(DEA)取得。’99年名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。現在、日本学術振興会特別研究員
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感想・レビュー
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富士さん
4
クセジュは事柄を淡々と説明しただけの退屈な内容のものが多いイメージで、どうも好きになれないのですが、クローヴィス王の伝記というのが珍しかったので手にしたものです。詳細な系図がありがたかったですが、再読してみて、東ローマ帝国はじめとして、東西ゴート王国とブルグンド王国という同時代の大国すべてが単性説を採っており、カトリックの教会から見ればフランク王国が唯一の味方であったという話は興味深い発見でした。この宗教的立ち位置こそ、クローヴィスが他の君主たちを差し置いて世界史の中で特筆される一番の理由なのでしょう。2016/10/23
小池馨子
0
後半の教会との関わりは正直必要なかったのでは……???と思いました。2013/04/24
rbyawa
0
フランスの前身とされるフランク王国のメロヴィング朝の初代王の本。さすがにこれは読みづらい、いっそ、宗教に拘るのなら宗教的な側面の資料から語ってくれたほうがまだ読みやすい気がします(そして、宗教心が比較的信用できるものだったと納得しやすい)(当時のカソリックに「利用」するような価値はなかったように思います)。とはいえ、本が少ない時代なので貴重は貴重、同レーベルの「メロヴィング朝」は大変読みやすいです。