出版社内容情報
キリスト教のみならず、ユダヤ教やイスラム教などとの関連を含めて、古代から今日まで、フランス国内に現われたすべての宗教を歴史的に解き明かした興味深い「フランス宗教史」。ガリアの地をめぐるエヴァンジェリスト(伝道者)たちを描きながら、フランス人の民族としての心のありかを探った好著。
目次
第1章 古代宗教からキリスト教の確立まで
第2章 ゲルマン人侵入からカロリング朝確立まで
第3章 キリスト教国フランス
第4章 宗教改革から啓蒙主義時代まで
第5章 世俗化するフランス
第6章 二十世紀終わりの宗教的変化
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
5
「宗教改革の主な障害は教会の指導にあった。国家権力の台頭にもかかわらず、キリスト教国の社会のなかで教会の上層部が重要な地位を占めていたので、宗教改革の実現は初めから失敗することがわかっていた。しかもフランスにおける改革運動は、1539年代に頭打ち状態であった」「けれどもフランス教会は宗教戦争により弱体化し、旧教同盟により分裂したが、なおもわずかであるが改革の道を進みつつあった。教会の改革が成功の途上に乗り出すのには…イエズス会により養成された司教世代の到来、とりわけとくに優れた人物集団の献身が必要となる」2022/02/01