出版社内容情報
地域や民族の壁を越えて広まる「超民族語」に着目する本書は、具体的な事例研究をふまえて従来の言語学の思想基盤に挑戦し、言語社会や国語に対する新たな視点を提起する。さらに言語・民族・国家の根本問題に迫る議論が、民族対立の時代に近代の国民・国家観を見直すうえでも、多大の示唆を与えている。
目次
第1章 言語の勢力拡大
第2章 事例研究―マンデカン語、ウォロフ語、スワヒリ語
第3章 事例研究―アンデスのケチュア語、南スーダンのアラビア語
第4章 超民族的機能
第5章 超民族語と国語、および言語計画
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kumo
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「超民族語(橋渡し言語)」の代表的な例をもとに、超民族的機能の成因や言語計画との関連を解説する。言語は「機能」の一端に過ぎないと筆者が言うように、社会言語学というより言語社会学と呼んだほうが相応しい内容だった。説明が簡潔明瞭で歯切れよく、日本人にもこんな文章を書いてほしい。2015/05/11
いたる
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母語を異にする者同士を橋渡しする言語を「超民族語」と定義し、西アフリカのマンデカン語、東アフリカのスワヒリ語、アンデスのケチュア語などを事例に、その機能と使用の要因を探る。2020/04/13